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株式会社ANALOG   場調査から戦略構築まで現場をサポートするマイクロシンクタンク 
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 ■三都で進む都心居住の一部エリア集中
 
 関西の中核となる3つの大都市

 25日の記事で紹介したように,大阪市内の人口は伸びていますが、北区、中央区、西区等の都心エリアに集中しています。関西を代表する京都市、神戸市はどうなのでしょう。
 京都市は市全体の人口は減少しています。その中でも中京区、下京区、西京区といった都心エリアの人口が伸びています。神戸市に比べると人口規模は少ないのですが都心エリアに人口が集中しているという傾向はありました。景観の規制が有り、他都市のようにタワーマンションが建ち並ぶことはありませんが、それでも都心へと人が集まっています。

 神戸市は、やはり市全体の人口は減少しています。中央区といった都心や灘区、東灘区の人口は増加していますが、ニュータウン開発された北区、須磨区、西区の人口が減少しています。

 今後人口が減少していく中で、都市の中での「格差」が拡大していく畏れがあります。26日に紹介したように、一部の郊外エリアでは大学が移転し,若者が増えたり子育て世代をターゲットとした商業施設が増えています。

 神戸、京都、大阪それぞれの都心居住の課題は異なりますが、都心の中で集中が進むと取り残されたエリア(おそらく高齢者が身を寄せ合うエリア)の将来のビジョンが必要です。」今後空き家が増えていく~地価が下がる+外国人労働者が増える・・・海外の都市で起こっている葛藤を防ぐ「共生」の仕組みを組み込んでいく必要があります。

                                                                              (3月31日)
 

図ー京都市の人口変化(2014~2015)

図ー神戸市の人口変化(2014~2015)

図ー三都の人口規模比較                            図ー三都の観光客数比較

図ー三都の商業ポテンシャル比較


 ■大阪モノレール沿線が熱い~エキスポシティとガンバ大阪新スタジアムだけでない動き
 
 2015年4月 立命館大学大阪いばらきキャンパス開設

 立命館大学の新しいキャンパスには経営学部、政策科学部が移転します。2016年には総合心理学部も設置されるようです。京都衣笠、びわ湖草津キャンパスでは取り込みにくかった阪神間、神戸方面からの学生の集客が期待されています。空港にも近くなりアジア市場にもより近づきます。
 1,000名収容の大ホールやカンファレンスホール(139席)、イベントホール(400名収容)セミナーハウスも整備されて地域や企業にも開かれたキャンパスとなります。

 2015年6月 千里中央よみうる文化センター商業施設1期新築

 よみうり文化センターは1977年に千里中央に設立されたスポーツ、文化教室と商業施設で校正された生涯学習センターです。1981年にオープンした北別館「煉瓦通り」はヨーロッパの一流ブランドを取り扱うブティックが立ち並び、千里ニュータウンには珍しいハイソな雰囲気のある一画でした。
 今回駐車場のあった場所に1期工事で商業等を建築し、従来の本館のテナントとスイミングスクール(コスパに移管)が移転します。商業施設はイオンモールが管理しますが、その商業施設も一部オープンします。
 芦屋のおばちゃんが道楽でやっているようなブティックはほぼ退店し、寂しくなりますが,イオンがどんな商業ゾーンを構築するのか注目されます。

 この1期の施設はモノレールの駅に直結します。

 開業後、既存施設が解体され、2017年に商業施設(イオンモールが誘致するスーパーマーケット?)2019年には543戸の高層住宅が完成します。武蔵小杉のグランツリーのイトーヨカドーのように格好いいスーパをつくって下さいね。

 2015年秋 「エキスポシティ」開業

 旧エキスポランドの敷地に延床面積22.3万㎡の複合施設が誕生します。関西で一番集客している阪急西宮ガーデンズで延べ床24.7万㎡。その他KUZUHAモールで20万㎡。船橋のららぽーと東京ベイで25.6万㎡ですからその規模の大きさを想像して下さい。
 あえて売場面積で比較していないのは、この施設の魅力は核になる「ららぽーとエキスポシティ」だけでなく、7つの大型エンターテイメント施設と隣接して整備されているガンバ大阪の新スタジアム(仮称 吹田市立スタジアム 6.6万㎡)にあると考えるからです。既存の万博公園を含めると巨大な集積となります。万博公園には「みんぱく」もあり文化資源にも恵まれています。

 海遊館がプロデュースするミュージアム「NIFREL」、ポケモンがプロデュースする体験型エデュテイメント施設、セガがBBCとコラボした自然体感型エンターティメント施設など沢山の「コト」が詰め込まれた新しい形のショッピングセンターとなります。

 少し離れた千里山の毎日放送跡地に開発された住宅「ミリカシティ」でのファミリーを対象としたキッズルーム、インターナショナルカフェなどとともに若いファミリ層を引きつける魅力あふれる生活が北摂に集積してきています。

 もともと人気の高いエリアですが、空港、新幹線のアクセスがよく、計画されている第2名神のICが茨木市北部に設置されることからも,京阪神~関西の拠点としてクローズアップされるでしょう。

 2015年秋 ガンバ大阪新スタジアム竣工(仮称吹田市立スタジアム)

 サポーターや地元企業の募金で完成したスタジアムは国際試合も開催されます。スタジアムを起点としたスクールやイベントの開催も計画されています。昨年Jリーグで三冠を獲得したガンバ大阪は今の所アジアチャンピオンズリーグでは苦戦していますが、いずれアジアにファンを拡げる構想も持っています。

 吹田、豊中,茨木、高槻など地元を中心にスポーツを核にした地域づくりが地域の気持ちをひとつにまとめ上げていくことでしょう。希望を与えてくれのはネットワークを拡げる道筋が見えているからです。

エキスポシティニュースリリース
http://www.mitsuifudosan.co.jp/corporate/news/2015/0325/ へのリンク
                                                           (3月26日)
 
 

 ■大阪市内の人口の伸び~今後更に進む集中は「大阪市」の消滅を危惧させる
 
 都心回帰傾向で大阪市の人口は増加~ただし北区、中央区、西区に極端に集中

 大阪市内で2年続けて人口が伸びているのは北区、中央区、西区です。ハルカス効果もあり天王寺区、阿倍野区も開発が期待されますが、多くの区は人口が減少しています。(図-1)
 浪速区が伸びているのは難波周辺でのマンション開発があったためです。淀川区もそうですが、人気の無いエリアでも、交通の便がいいスポットで大型開発があれば人口は伸びます。
 
 より詳細に町丁別に伸びているスポットを図にプロットすると環状線の内側で,御筋沿いのビジネスゾーンの中心をぽっかりと開けて小さなドーナツ状に人口が伸びているエリアが分布しています。生活利便施設、文化施設、教育施設が整備されていて比較的大型の開発が可能なエリアは限られています。

 比較的開発しやすいエリアが虫食い状に開発されている反面、衰退している地域がはっきりしています。新住民が増えなければ高齢化が一層進みます。

 日本全体で都市機能が偏在していく流れの縮図にも思えますが、人が活発に動くエリアとそうで無いエリアの格差が一層進みそうです。

 地域をよりきめ細かくブランド化していくのも一つの方法だと思います。例えば同じ西区でも靫公園周辺と堀江では性格が違います。堀江を好む人と靫公園のパークサイドを好む人は違います。多様な人々を多様な個性で呼び込む事が大阪全体を活性化します。
 今は「利便性」が最優先されて街の歴史性や文化性がキャラクターとして確立していません。大型開発の可能性がない以上、街を身の丈に合わせて細分化していく事が生き残りの鍵だと考えています。
 選択と集中の考え方に建つと多くの地域を切り捨てることになります。
 
 「大都市問題」の解決には「大阪市」を俯瞰した視点が必要です。
 
                        (3月25日)
  図ー1 市区別の人口の伸び(住民基本台帳)
 
図-2 町丁別に見た100人以上の人口の伸びが見られるスポット(2012年~2013年青 2013年~2014年赤で表示)
 
 (大阪市資料よりANALOG作成  青が2012年~2013年の伸び 赤が2013年~2014年の伸び)
図ー大阪市内スーパーマーケットの分布
NTTタウンページより作成  中心部では生活インフラも空白地帯になっている
 
 ■関西で所得が低い割に個人消費が堅調な理由~日銀大阪支店のレポートから
 
 関西の世帯あたりの可処分所得は関どころか全国平均より少ない

 日銀大阪支店のレポートでは家計調査の分析から関西の世帯あたりの年間可処分所得は関東、日本全国の平均より少ないと分析しています。
 大阪市内の世帯収入の少なさについては当社でも指摘していましたが、関西(大阪府、京都府、兵庫県、滋賀県、奈良県、和歌山県)全体でもそのような傾向があるという事は抑えておくべき大事なポイントです。
 世帯主の年収は,もちろん関東より低いのですが、全国平均に近いのですが配偶者の年収は全国・関東より低いようです。・・・大学、短大進学率は全国でも高い方なのですが、配偶者の就業率が低いことが背景にあるようです。

 名目賃金は全国では2013年から前年比を上回る傾向があったようですが、関西で前年比を上回りだしたのは2014年以降です。消費税が上がっていますから実質賃金は決して改善はされていませんが、東京圏だけでなく全国より上昇率が低かったのですから、「景気改善」の実感が関西では感じられなかったのは無理もないでしょう。

 個人消費が堅調な背景は

 一方、可処分所得に対する消費支出の割あいである「消費性向」は全国より高く、既往のピークの水準に近づいています。所得水準は低くても消費は堅調であるようです。

 販売サイドの動きでは、商業動態統計では「百貨店」が全国を上回って得るに対して「スーパー」が弱めになっています。アイテムでも「衣料品」が全国より強いのに対し日常の食料品の売上げが低いという結果になっています。

 これらの統計は地元での皮膚感覚にも近いものです。

 日銀はこれらの減少の理由を3つ挙げています。

1.関西では株式などの金融資産の保有額が大きい。その為、最近の株相場の高騰が高額消費を押し上げている。
(株式保有残高 全国平均161万円 関西232万円 関東195万円 東海205万円)

2.この数年の開業ブームによる百貨店を中心とした需要の喚起があった。
 全国では縮小してきた中で関西は緩やかに拡大していた。

3.訪日外国人の需要が百貨店の売上げを下支えしている。

 関西の富裕層は動産の資産ストックが大きいのは確かにそうでしょう。首都圏でしたら、不動産と収入で富裕層が可視化されますが、関西の富裕層はその意味で、見えにくい(外からは金持ちとわかりにくい)のかもしれません。

日銀のレポートは下記ページです。
  http://www3.boj.or.jp/osaka/_userdata/chosa150320.pdf へのリンク

 百貨店の好調がどこまで続くのか?

 梅田の百貨店戦争も終結しました。三越伊勢丹は事実上撤退し、百貨店は阪急阪神グループと梅田大丸というもとの構図に戻っています。梅田大丸はインバウンドも含めた機能複合の中でコンパクトに百貨店らしさを維持しています。実際に買い物をしてみると、コアな部分は百貨店らしさを維持しています。阪神は今後阪急の補完機能を強めていくでしょう。インバウンドを除いた売上を伸ばしている阪急梅田本店の一人がち・・・・が実態です。

 西宮阪急などの郊外店や他業態との競争が焦点になります。

 グランフロント大阪は当社の調査でも利用率が高く,好調に見えます。開業時の話題性が落ち着い後の集客と、利益をどのように確保していくか、課題も多いと思います。ルクアは駅ビル業態として成功しました。関西では東京ほど駅ビルの「需要」がありません。東京の駅ビル「ルミネ」のようなお客さんは、いないでしょうね。

 旧三越伊勢丹「ルクアイーレ」はプレスリリースを見る限り、意欲的なテナント構成ですが、「導線」が悪いというデメリットは改善されたのでしょうか?

 インバウンド、海外観光客は派手でわかりやすいのですが、梅田の勝ち組である阪急はそこで伸びているのではありません。

 目に見えない「資産を持っている層」をどうつかまえるか・・・・どの店が残るかはそのポイントによって分かれます。(三越には,関西にもその資産があったはずなのですが、残念ですね)

                                                                               (3月24日)
 
 ■インバウンド需要年間2兆305億円~買い物消費は7,142億円
 
 訪日観光客の消費金額は買い物で7,142億円~中心は中国人観光客

 今年の春節商戦は「爆買い」というやや揶揄した表現がメディアを席巻していました。ASEAN諸国のビザ緩和やイスラム国の観光客対応なども話題になっていましたが、香港、台湾を含めると圧倒的に「中国人」がインバウンド需要を支えています。

 宿泊費、飲食費を含めた消費額は、中国は5,583億円、台湾が3,544億円、韓国が2,090億円、香港が1,370億円・・・アメリカが1,475億円,タイが987億円ですがほとんどを中国、韓国が占めています。※買い物はその35%。宿泊費、飲食費が高いウェートを占めています。

 中国人が訪れるのは日本より多く612.7万人(日本へは283万人)※2014年で韓国への経済波及効果は2兆円といいますから、これから中国の観光客が増えれば消費額はもっと増加します。

 日本の小売業全体の売上は年間約134兆円。百貨店業態で約6兆円。・・・・サービス業への恩恵が高いのですが、小売業に取っても無視できない数値です。今はおそらく家電量販店、ドラッグストア、アウトレット、百貨店でも銀座や大阪ミナミの一部の店に影響があるくらいですが、ショッピングセンター業界などでも注目されています。

 心配なのは国内のコンプレックスからくる反動とMDの「ゆがみ」

 TVなどでも中国人の行動についてやや冷ややかに語る人が多いのは、かつては「見下していた」国が発言力を伸ばしてきたへのやっかみの気持ちを代弁しているのだと思います。好むと好まざるに関わらず、これからもうまくお付き合いしていかないといけないでしょう。グローバル化とはそういうことでしたね。
 団体客が大量に購買してくれるのは一時的な現象で,今後個人客として来訪してくれるときにどのようにリピーターを確保するかを今の時点で折り込む必要があります。

 自治体や政府の観光関連のお役人様は不思議と「興行師」的な人が多いような気がします。一時ブレイクした九州のサッカーチームの経営を破綻させたあと民主党政権の官公庁長官に就任した方とか。また今度どこかの自治体の観光責任者になるとか。そんな事はどうでもいいですが、観光で食べていくためには地道なファンづくり、リピーターづくりが必要です。

 心配なのは、勢いのいいターゲットの嗜好に引きづら従来の顧客の好みと違ったMDになり顧客離れが起きてしまうことです。中国人観光客に人気で、商業地の地価が上昇している心斎橋筋は当社の調査では地元民の利用率や好意率がずっと減少傾向にあります。

 外国人観光客が好む抹茶味のお菓子。最近やたらスーパーの店頭に並んでいます。確かに美味しいのですが・・・売れ残りを押しつけられ?とも思います。

 インバウンド需要に焦点をあてる事と同時に、海外の観光客を含めた顧客づくりの戦略と仕掛けが必要です。
 それは興行師・テキ屋の商売の発想とは全く違ったものであることは間違いありません。

                                                                          (3月19日)
 
 
(日本政府観光局)
 ■今年の関西の大型開発は郊外に注目
 
 今年の注目はエキスポランド跡地の開発です。海遊館が水族館を設置したり、隣接する敷地にガンバ大阪の新スタジアムが建設中など新しい街の核が形成されるでしょう。秋にはイオンモール四條畷が開業します。大阪東部の四條畷市と寝屋川市の境界部分で、商業集積としてはエアポケットのような立地です。詳細はまだ発表されていませんが、今後開発が予定されている、「新イオンモール藤井寺」「イオンモール堺鉄砲町」等とともに、関西で最新のイオンモールの姿を見ることができます。

 2008年に開業した阪急西宮ガーデンズは6期連続増収で2015年3月期には全館で780億円になるそうです。1次商圏の西宮市、尼崎市、芦屋市などの1次商圏だけでなく神戸市東灘区、伊丹市、大阪市淀川区などの2次商圏でも伸びていて、商圏の広域化が進んでいます。

 エキスポランドのありゅ北摂や、西宮といったエリアは地域の生活文化が成熟した街なので、商業施設にもその文化が反映される事でしょう。

 四條畷で地域密着を進めているイオンモールがどんな地域文化を「可視化」してくれるか楽しみです。

                                                                     (3月18日)
  2015年開業の商業施設
施設名 場所 開業日 売場面積
G-7モール上津台 神戸市北区 4月1日 7,097 ヤマダ電機他
ルクアイーレ 大阪市 4月2日 33,000 http://lucua.jp/about/lucua1100_150119.pdf
もりのみやキューズモールベース 大阪市 4月27日 7,566 http://qs-mall.jp/morinomiya/news_releace.pdf
エヌクラス三国ヶ丘 大阪府堺市 5月29日 1,335 http://www.nankai.co.jp/library/company/news/pdf/140324_3.pdf
エキスポランド跡地複合施設 大阪府吹田市 10月1日 88,000 http://www.mitsuifudosan.co.jp/corporate/news/2014/0717_01/
京都BAL建替 京都市 8月末 11,000 http://www.bal-bldg.com/bal-kyoto/
イオンモール四條畷 79,000 http://shijonawate-aeonmall.com/static/detail/newsrelease
 ■大阪と構想~「地盤沈下」イメージから脱却する長期ビジョンの構築が必要
 
 再び進む人口の一極集中? 

 総務省の発表した「住民基本台帳異動報告」2014年度の結果では,東京圏では2009年以来の10.9万人の転入超過、大阪圏では2008年以来の1.1万人の転出超過となったそうです。特に震災以来目立っていた東京からの人口流出が反転したということでしょうか?

 りそな総研が人口の転出入に関してレポートを発表しています。それによると、東京圏へ向かう転入の勢いは鈍化しているようです。転出の勢いが弱まった結果「転入超過」という数字になっていると分析しています。
 一方、大阪圏については転出者数はほぼ横ばいの中で転入者が減っていることによって転出超過となっている事を指摘。90年代には2~3万人にお転出者があったことを思えば,ダダ漏れ状態は収束しているということです。

 震災が風化し、原発事故のショックが薄れたことで、東京から脱出しようという風潮は収まった中で、東京オリンピック需要で,国内で唯一景気が良さそうな東京圏ですから,本来はもっと人が集まってもおかしくないのですが以外な結果です。

 デベロッパーの不安?

 昨年から、仕事で東京圏と九州の佐賀福岡を頻繁に訪問して感じたことがあります。

 東京の湾岸部に高層マンションが立ち並んでいますが、人の生活の匂いがしない・・・・・。まちが形成されていないように感じました。同じように高層マンションが建ち並ぶ武藏小杉駅周辺の街の勢いと比べてどこが違うのか・・・・商業施設のバラエティと質で読み取れます。
 オリンピック景気にわいているはずの東京でもデベロッパーの投資は一部の人気立地に集中していて、投資意欲は必ずしも高いというわけではないとも聞きました。中堅どころの積極的な開発が影を潜め、大手企業は投資先を慎重に選択しています。

 ショッピングセンター、百貨店の開発でもぜひこれは見ておきたいというのも無くなりました。お金がジャブジャブ市場に流通させているといわれている割に東京でさ事業者は慎重です。

 九州では佐賀県の県庁所在地佐賀市の繁華街の閑散とした風景と福岡市の天神、博多駅の賑わいの対比が印象的でした。福岡は九州の中核となって九州の都会的要素が集中しています。都市としては大阪よりずっと洗練されています。・・・とはいうものの久留米市や大分市、熊本市はそれぞれの地域なりの街の賑わいがあります。佐賀だけが特異なのかもしれません。
 ちなみに佐賀県武雄市の図書館がTSUTAYAが運営すると話題になって居ましたが、張りぼての本が装飾として並ぶなんちゃって図書館である事があきらかになって一時の注目が薄れてきましたが、スターバックスコーヒーがある都会的な雰囲気だけで市民にとってうれしいのかなとも思います。(はりぼては何時かメッキが剥がされますが)

 大阪に構想を

 地方の人口減少を抑えるために地域に中核都市を整備(ミニ東京みたいな)海外からの投資を呼び込んで活性化しようという提案もあります)福岡市などはそのモデルなのかな・・・・。肝心の東京の求心力が微かに揺らいでいる中で、その構想の是非はともかく、関西の中で大阪は中核機能を担えるのかということを検証してみる必要があります。「日本沈没」で有名な小松左京のポリティカルフィクションに「首都消失」という「お話があります。首都が突然消失したときに対応の中心となる関西でリーダーシップを取るのは大阪府の首長ではなく,兵庫県の首長でした。昔の小説ですから,今の首長がどうこうということではないですよ。・・・・・経済規模では「大阪」は大きいのですが,都市機能としては大阪市、神戸市、京都市とその都市間のエリアがまとまって将来構想を語ることが必要です。

 大阪だけの事をちまちまといじっていても活路は開けません。どうも東京に選択と集中していても今ひとつ「希望」が見えない中で、「ミニ東京都」と違った未来像を描く夢のある構想力が求められます。

                                                                             (3月13日)

 追記

 3月13日は第一回の大阪大空襲から70年目に当たります。一般民間人の居住区をターゲットとした無差別爆撃は8月14日敗戦前日の京橋駅の大惨事まで続きます。大阪の都心部は焼け野原となり、都心の歴史的な建築物、とともに多くの生活が失われました。   黙祷

 あの焼け跡から立ち直って今の大阪があります。大きな時間軸の中で都市はその命を輝かせます。

 この先、いつか、大阪の街や文化が解体されることもあるかもしれません。それでも、大阪の街を愛する人が生き延びている限り、人や歴史の繋がりを記録して、再建のための構想の土台を整備しておきたいと思います。「新なにわ考現学」もきっと大阪のために、役に立つ日が来ます。

 ■大阪のシビックプライドとなる街は・・・・
 
 好きでかつ自慢したい街
 
 今回の調査では「うめきた・グランフロント大阪」が唯一、「好き」でかつ「大阪を案内するときに自慢したい街」としてポジショニングされました。前回このポジションに近かった「千日前道頓堀」と「御堂筋心斎橋」はともに「好き」のポイント「自慢したい」ポイントを大きく落としています。

 大阪といえば道頓堀、心斎橋筋商店街の外国人観光客の賑わいですが、地元の生活者の熱は冷めてきているようです。

 百貨店への免税店の誘致などインバウンド対策は進んでいますが、リピーターを創る魅力造りという点では,必要性は認識されていても後回しになっているように感じます。外国人旅行者も団体客から個人客に必ず移行します。その時に魅力を維持できるでしょうか。

 大阪城3Dマッピングの失敗に学ぶことが必要です。興行師は一発当てればOKですが・・・・・賑わいを続けていく「智恵」が必要です。
 
図ー好きな街(横軸)×大阪の街を自慢したいときに案内したい街(縦軸)2次元図

 2015年「新なにわ考現学2015」                      2005年「なにわ考現学05」
 
■順風に見える賑わいのなかでの綻び~民間の智恵は万能では無い

 あべのハルカス年間来館者4237万人~目標の1割減

 3月7日に開業1周年を迎えた「あべのハルカス」は目標の4740万人を1割下回る4273万人の来館者となりました。賃貸オフィスの成約率は93%ですし、展望台は目標を80万人上回る258万人、大阪マリオット都ホテルは目標30万人に対して73万人が利用していましたが、あべのハルカス近鉄本店が計画の4500万人に対して3583万人と大きく目標を下回っています。百貨店が足を引っ張っていると報道されています。
 美術館の来館者も目標の50万人に対して36万人と下回っているのが気になります。

 百貨店も美術館もオペレーション次第で集客はあげられます。特に開業1年目で注目が集まっている中でこれは大きな問題です。百貨店の問題点ははっきりしています。

 大阪城3Dマッピング来場者は目標の半分以下?

 昨年は目標の50万人を超える59万人を集めた「大阪城3Dマッピング」は今年の目標80万人を大きく下回る34.6万人に終わったことがわかりました。何かと話題の大阪観光局が関わっているだけに、冷ややかな視線が向けられています。運営は民間のHISですが、昨年から大きく増やした目標設定が間違っているのだと思います。会期を2週間延長してこの数字ですから・・・・別に個人が弁償する必要はないですが、その原因を徹底的に洗い出して2度と間違えないことが何よりも重要です。

 外から見ていて感じるのは責任の所在があいまいで、当事者意識がどこにもないのだと思います。かつての3セク事業の失敗にも似ています。3セクの時は行政と民間の権限があいあまいだったので行政主導で失敗したという反省から、今回は、民間に主導権をとらせたつもりなのでしょうが,例え民間であっても企業間、部門間の責任の所在が曖昧だと組織は機能しないのです。

 それはJR大阪駅にあった東京の一流百貨店の失敗や、あべのハルカスの不調の原因でもあります。行政が駄目だから民間に任せればOKなどという単純な理屈ではありません。民間人だから役人より賢いこということはありません(その逆も)。肝心なのは組織の設計です。
 立派な会社から国営放送のトップに据えられたあの人や、民間企業のトップから公営企業の幹部に取り立てられたあの人も決して能力が劣るわけでは無く、その人を支えていた組織から移植されて、フォローする役割の人が居ないため、悪いところばかりが目立ってしまって非難を浴びているのだと思います。

 私は基本的に「野に遺賢」などいないと考えています。特に「弁護士」と「自称コンサルタント」は危ない・・・。公立の学校の校長への民間人の起用や区長への民間人の起用が多くのスキャンダルを産むのは、既得権を持った官僚のいじめやリークのためではなく、個人のパーソナリティーで組織文化を変えることが出来るという誤解からうまれた軋轢です。意図している事は理解できますが、着手するポイントが間違っています。

 文化資源の安売りについて・・・・

 3Dマッピングや大阪城でのモトクロスに関して・・・・・,最初は歴史資源とのミスマッチで新鮮かも知れませんが、2度目3度目になると飽きられるのは、喩えは悪いですが一度ヘアヌードを出した女優さんの市場価値がなくなって2度目、3度目と写真集の売れ行きが落ちるのと一緒で、とても「知恵」とも言えない興行師的なその場しのぎの思いつきです。興行師ではあれば例え大失敗しても,次の稼ぎで取り返せばいいのですが、公共的な資産を使っての「興業」は本来大失敗はあってはならないはずです。

 大阪城公園に関しては電通などの共同事業体が4月以降パークマネジメントを請負、34億円を投資して34億円を投資して850万人の来場者数を1000万人に増やすそうです。電通のプロとしての仕事に大いに期待したいところです。

 奈良県、関西広域連合に観光、防災に限って参加

 3月7日奈良県が観光、防災に限って関西広域連合に参加し関西全体での観光客誘致に参加すると発表されました。大変結構な事だと思います。たまたま今年は中国人観光客などが目立ちましたが、まだまだ韓国への観光客の五分の一程度しか来日していませんし、新幹線が開通した金沢などポテンシャルの高いライバルが国内にも沢山あります。

 観光客にだけ依存することは危険ですが、勢いを受け止めてリピーターを確保する為には広域の連係が必要です。良い判断だと思います。

                                                                    (3月9日)
 ■観光客があふれる今だからこそ「関西広域観光戦略」の実行計画を
 
 目の前のお客様を掴む事と同時に「関西」としての「戦略」を広く議論しないと3.14ショックを乗り越えられない

 アジアで広く祝われている「春節」の時期を迎え、今、大阪市内には中国人観光客を始めとする外国人観光客があふれています。整備が遅れていた外国語の案内表記や、店舗での外国人対応が進む事はたぶんいいことなのでしょう。
 日経新聞の記事では大阪の観光名所だった「心斎橋商店街」は外国人に人気の観光スポットベスト30に入り人気スポットだそうです。道頓堀「千房」の来店キャ君も半分は外国人観光客で、ドラッグストアの「マツモトキヨシ」の一階の客の8割は中国人客で埋め尽くされているといいます。
 髙島屋大阪店の免税売上高はほぼ4倍で、販売額は全国一番だそうです。百貨店では冷遇されている家電売場で炊飯器などが売れています。

 商店街では「お客様は目の前にいる。商況の変化に合わせて街作りをすすめるのが大阪が商都として400年続いてきた理由だ」という見方があるようです。

 誰もが思っているように、「爆買い」と揶揄されている団体客の大量購入はいずれ沈静化します。その時に、今来ていただいているお客様がリピーターとなっていただけるおもてなしと環境整備が必要です。

 当社の調査で、「心斎橋筋商店街」の利用率は低迷しています。低迷しているだけに、目の前の思いがけない商機に高揚する気持ちは良く理解できます。商売に忙しいときほど少し先の事を考える「戦略」が必要です。・・・・・この状態は(確実に)そんなに長くは続かないのです。

 関西と北陸の長い絆の終わりが近づいている

 北陸と関西の動きは2010には1,650万人と、北陸~首都圏の2.5倍でした。北陸から関西の大学に進学する人は高卒者の16%を占めていました。3月14日の北陸新幹線の開業後、東京~金沢間は2iz間28分と1時間20分短縮されます。かつては「関西の奥座敷」と呼ばれていた北陸は確実に「首都圏の奥座敷」になります。大阪からの特急サンダーバードはの富山までの直通便はなくなります。
 首都圏の大学への進学が増えて、首都圏への一極集中はますます加速します。

 関経連が2月3日に「関西広域観光戦略」を発表しています。ある時期活発だった「関西広域連合」の話題が最近下火です。経済界だけで無く、自治体も危機感を持って連係しなければ乗り越えられない危機が迫っているのに「広域観光戦略」についての議論が盛り上がらないのは何故でしょう。

 目の前の商いに忙殺される商人に未来の事を考えさせる展望を示すのが、企業や行政、大学そしてジャーナリズムの責任だと思うのですが。

                                                                          (2月24日)

 余談ですが、日本に不足している人材は「組織をマネジメント」する訓練を受けて、ノウハウを持った人財ですね。すくなくとも「市場」には存在しない。いくら民間の力を行政に・・と入ってもフリーの人財は極めて少ない。もちろん、既存の組織の中に違った管理者を入れることへの反発はあるでしょうが・・・・。
 ■「来客数減少時代のスーパーマーケット」について
 
 2015年版スーパーマーケット白書(一般社団法人 新日本スーパーマーケット協会)

 http://www.super.or.jp/?page_id=6709 へのリンク


 一般社団法人 新日本スーパーマーケット協会が発行している。「2015年版スーパーマーケット白書」で食品スーパーの来店客数の減少について、その要因が分析されています。

 食品スーパーの来店客数はこの数年ずっとマイナス状態が続いています。「アベノミクス」は食品スーパーに関しては効果は無かったようです。消費者の購入回数も減っているようです。競合では「百貨店」「ドラッグストア」が食品売上比率を高めています。ドラッグストアは品数は少なくても価格は安いのが魅力です。高齢化に伴い「宅配ビジネス」もシェアを上げているようです。フードデザートと呼ばれている地域でも、意外にドラッグストアだけはあったりしますしね。

 人口減少、高齢化は確実に進んでいます。食品支出額の年代別のシェアは2015年では、59歳以下:60歳以上で56.0%:28.7%と2倍弱の開きがありますが、2025年には51.4%:29.3%、さらに2040年には40.7%:31.0%と1.3倍まで差が縮まります。

 人口が増加してきた時代に出店してきた食品スーパーは事業構造を見直す必要があります。

 都心の百貨店などではまだ、インバウンド需要などの「伸びている市場」がありますが、(インバウンドに傾斜しすぎると危険なのですが、伸びている市場があれば企業は前向きな雰囲気に包まれます)食品スーパーは「外需」に頼るわけにはいかないですね。


 詳しくは上記ページからレポート本編をダウンロードできます。

 「自治体消滅」時代の小売業

 人口減少と、東京への一極集中によって、これから消滅する自治体が増えてくるともいわれています。基本的に地域から離れることができない「ジバニャン属性」の小売業はどのように生き残りを図るべきなのでしょう。

 先日、佐賀市を訪れましたが、日曜日の中心市街地はゴーストタウン状態でした。地元百貨店「佐賀玉屋」も風前の灯火の様に見えました。人々は郊外のショッピングモール「ゆめタウン」で肩を寄せ合うように買い物をしています。県庁所在地とは思えない人の賑わいでした。

 新しいタイプの「イオンモール」や「コンビニエンスストア」は地元の食材や、店舗をとり入れる取り組みを始めています。佐賀の「ゆめタウン」はまだそこまでは進化していないので余計寒々しく感じられるのでしょう。

 地域で生き残るためには、地域の特性によって色々なバリエーションが考えられます。チェーンストアオペレーションだけでは対応できない柔軟性が必要です。佐賀の風景も考えながら予測すると、「介護」「健康」+「業態複合」〈ドラッグストア、食品、都心店の商品受け散り)+宅配または巡回販売の組み合わせ+教育産業など地域に必要な機能が一体となって集約されたものになると考えています。ひとつの業態の枠組み、あるいは公共、民間の枠組みだけでは解決できない課題があります。

 地方にダムのような「ミニ東京」をつくるという構想は現実的なようで失敗します。かつてのニュータウンの地区センターのように、中央センター~地区センターのヒエラルキーの中で衰退していく危惧があります。

 くわしくはまた、じっくりと論じることといたしましょう。

                                                                                (2月18日)
 ■「道頓堀プール計画」をここまで引きづった理由~常識の崩壊
 
 道頓堀プール計画が正式に中止になったようです

 当初から、実現性や必要性については疑問視されていました。少なくとも専門家は絶対に薄ら笑いを浮かべて語っていたはずです。常識的に考えて採算がとれないですし、採算が取れなくてもやってみようという「夢」のある計画でもなかったはずです。
 
 それでも新聞報道では、発表をあたかも実現の可能性があるがごとく垂れ流していました。人気者の市長への遠慮でしょうか?当初から市長は行政は関わらないと明言していましたし、積極的に関わろうとした形跡はありませんでした。
 
http://www.asahi.com/articles/ASH1Y6GNLH1YPTIL027.html へのリンク

http://www.sankei.com/west/news/141007/wst1410070028-n1.html へのリンク

 同じような事は北新地の「TV芸人の銅像設置」の報道でもみられました。通りの名前まで変えるとか・・・・。これも常識的にはありえない話でした。」(その後の後妻業騒動がなくても)

 メディアの現場記者やデスクの意識の中に、「道頓堀」や「北新地」の街の「格」についての意識が無かったのでしょう。・・・・ただし、これはマスコミ批判ではありません。もともとメディアはそういうものです。

 大阪の中で「由緒」とか「格式」を持っていたはずの土地を地元の一部の人が自ら貶めてきた結果だと思います。

 まず「常識」で考えて議論するに足るかどうかを考えてことにあたるべきです。

 道頓堀や北新地の活性化についてお手伝いできることがあれば、なんでもお手伝いしますし、堺屋太一先生への敬愛の念は変わりませんが、「常識」を取り戻して、さらにさらにそれでも「常識を超えた」ことを実現したいという気持ちを喚起するプロジェクトを構築していくことが必要です。

 「力」で押さえつけて、陰で冷笑されるより、おもてだって議論できるような進め方をするべきでしょう。

 発言力のあるド素人の意向やメンツを忖度して、初級レベルの議論を繰り返しているのは時間とお金の無駄遣いだと、私は思います。

                                                                       (2015年1月30日)
 ■今年の記事の方針について
 
 新年になって,更新が滞っています。

 業務が多忙と言うこともありますが、なにわ考現学を25年間続けてきて、もう少し踏み込んだ論考をまとめたいと考えているからです。
 表層のイメージを追うなかで、そのイメージを形成する「要素のレイヤー」を分解することに興味が移ってきています。

 何故、都市環境を整備し、ガス灯が立ち並ぶ三休橋筋に、場違いな「新世界の串カツ屋」が出店してしまうのか?何故、空き地が解消されて、高層マンションが立ち並んでも「街の賑わい」は復活しないのか?何故、人が集まり海外の高級店が集まる心斎橋の地元民の利用率、好意率が激減したのか?
 
 何かおかしいですよね。「まちづくり」のステークホルダーに「言葉」「概念」が共有されていない事が一つの原因かも?

 とかいうことを,深掘りしていきたいと思っています。

 また、小売業については気になるトピックスをその都度発信していきます。

 今年もよろしくお願いいたします。

                                                                        (2015年1月19日)
■ 「街のイメージ」は単一のものいではなくいくつかの要素がレイヤーされた結果として「色」がついている
 
■それぞれの「要素」についてまちに関わるステイクホルダーは異なったプライオリティを持ち、異なった「言葉」で語る
 
 今、例えば大阪の船場や心斎橋・御堂筋、道頓堀などで「まちづくり」が袋小路に入っているのは、「結果」=数字になる成果を求めるあまり
 レイヤーの要素について考慮されていないからである。これは大阪だけの問題で無く、行政の政策が「数値目標の達成」をゴールとしている
 事に由来する。
 
 とにかく、「成果」を上げるためにプロセスや持続可能性を後回しにしている・・・・という事だ。

これらの人々が「共通の言葉」を獲得することで、持続可能な「まちづくり」が達成される。

①旧住民(コミュニティを形成しまちの歴史を知る)

②新住民(まちの雰囲気に惹かれて住まいを選ぶ)

③企業通勤者(エリア内の企業に勤める)

④地元商業者(商店街でながく商売を継続)

⑤飲食物販の起業家(まちに惹かれて新しい店の出店を選ぶ)

⑥起業家(この立地で新しい事業を始めることを選ぶ)

⑦地元ビジター(店や地域の文化歴史に惹かれて訪れる)

⑧広域ビジター(海外、国内の観光客)

⑨デベロッパー

⑩行政


 (analog 作成)
 ■相次ぐショッピングセンターの新業態開発~注目は2015年東急銀座5丁目プロジェクト
 
 イオンモール岡山~都心型のSCへの挑戦

 岡山駅前に12月5日に開業したイオンモール岡山(92,000㎡)は、イオンモール初の政令指定都市の駅前型SCだと言われています。金沢駅前の「フォーラス」はイオンリテールが運営していますから、勘定にははいりません。土地代が高く、高い効率を求められる店舗ですが、情報発信、文化交流機能も取り入れた実験的な店舗になっているようです。吹き抜けのサーキットモールというのもコストアップ要因です。
 開業後2週間の状況を報道する新聞記事(繊研)も微妙なニュアンスです。高単価のセレクトショップが目立っていることと、「立ち上がりは好調」という表現とともに「大手のオープン値引きキャンペーンを終えて集客がいい意味で落ち着いてきている」と報じているのが気になります。
 岡山は地元百貨店「天満屋」との競合より、倉敷のアウトレットとの競合が厳しいでしょうね。イオンは「パルコ」を大丸と競り合って、負けてしまったのが傷手でしたね。

 福岡パルコ新館~都市型新業態店舗

 パルコは福岡天神に11月「福岡パルコ新館」をオープンさせています。アパレル主体の店が3割で、生活雑貨、飲食・食物販を拡充した店舗です。カフェダイニングやワークショップ併設のカフェ、雑貨店など・・・・一体どこで儲けるのか興味深いですね。
 ちゃんと自分の目で確かめないと何とも言えませんが、バブルの時代のマイカルや西武セゾングループのかもしだす、懐かしい「匂い」がします。

 博多駅との競合が落ち着いて、天神の逆襲が始まった・・・という流れで解釈すればいいのでしょうが、キャナルシティはあきらかに外国人団体客が多いのですが、天神はどうなのでしょう。福岡はいつも駆け足なので、一度ちゃんと見ておく必要がありそうです。

 外国人観光客の特需で、本当の街のポテンシャルが見えにくくなっています。例えば、御堂筋・心斎橋について来街者数が増えて、路面店の出店が増えたという報道もありますが、地元客の利用は長期的に減少し続けています。

 東急不動産銀座5丁目プロジェクト~数寄屋橋阪急のあった場所

 東急不動産の「銀座5丁目プロジェクト」はかつて数寄屋橋阪急のあった場所に建設中の延べ5万平米の商業ビルです。

 低層部はラグジュアリーブランド、中層部に東急ハンズの新業態、東急百貨店のセレクトストア、そして上層部に都内最大の「免税店」が配置されます。インバウンド=外国人観光客出賑わう銀座で、強く観光客を意識したショッピングセンターとなっています。

 東急文化村のノウハウも活用し、文化情報の発信も強化されています。
 日本橋・室町の「コレド」は地域の伝統を強く打ち出すことで、逆に外国人観光客にもアピールしています。

 心斎橋・御堂筋は、銀座と同じように外国人観光客が高いウェートを占めています。・・・・・銀座や日本橋に並ぶ格式のあった街ですが、単に高く借りてくれる店が集まっている・・・それがたまたま海外ブランドショップであるだけです。街の戦略に基づいた文化の発信がなければ、賑わいは続きません。

                                                                                 (12月22日)
 ■川崎市の武蔵小杉「グランツリー武蔵小杉」はセブン&アイの新しい複合業態
 
 GMSの顔がしないイトーヨカドー

 東急東横線の武蔵小杉駅は、駅周辺の高層マンションの開発が著しく、新しいSCが次々に開業しています。駅の乗降客数は1日平均16万人〈2013年)と前年比7.1%と伸びています。

 駅には東急電鉄の「武蔵小杉東急スクエア」(11,200㎡)が13年4月に開業し、駅前の「ららテラス武蔵小杉」(8,000㎡)14年4月開業とデッキでつながっています。タワーマンションは6,700万~8,900万円台ですから、首都圏と入ってもハイクラスな方でしょう。(渋谷に直結していますしね)どちらにも、おきまりの百均の店が入っていないのが印象的です。  売上は東急スクエア134億円。ららテラス目標70億円。

 11月にセブン&アイフォールディングスの「グランツリー武蔵小杉」(37,000㎡ 目標270億円)が開業しているので、見たくてたまらなくなり先週、見に行ってきました。

 同じセブン&アイのSC「アリオ」と違って、イトーヨカドーがイトーヨカドーの顔をしていません。食料品「GRANDO TREE MARCHE」にはかなり力が入っています。2階の「西武・そごう」も百貨店フロアはやはり規模が小さいと厳しいと感じましたが、3階、4階の日用品、カジュアルファッション、スクール用品はグループの旗艦店と言うだけのことはあります。

 若い子育て世代が多い街のためか3店とも中高年には物足りないう品揃えではありますが、街の勢いを感じさせます。

 謎の業態「フーディアム」

 近隣のダイエーフーディアム武蔵小杉店(3,365㎡)は都市型SMとしてダイエー再建の鍵を握る業態とも言われていましたが、グランツリーが出来てはっきりとい見劣りする店舗になっています。
 SKU〈商品の種類)が少なく、同じ商品を大量陳列している。こrては堂島店でも感じました。はっっきりと「鮮度」が落ちるイメージを与えています。日本の消費者には受け入れられないでしょう。24時間営業のせいか、店、従業員がくたびれている。グルメスーパーを目指すのか利便性の提供を目指すのかはっきりしていません。照明も暗く感じます。アメリカのまちなかの流行っていないスーパーマーケットのようです。
 何故、このような業態を作ったのか不明です。
 
 グランツリーのテナントの対照的な2店舗

 グランツリーの飲食店には2つの餃子専門店が入店しています。フードコートには「餃子の王将」。1階の飲食店ゾーンには「原宿餃子楼」。「DIM JOY」の隣ですね。46席で、餃子単品で焼き餃子と水餃子を提供しています。・・・この店がひどい。厨房に4人いますが3人のブラジル人スタッフが全くフィットしていなくて、単品であるにも関わらず提供スピードが遅い。人が多いのは美味しいからでは無く、単に回転が悪いためだったようです。餃子の王将は味はともかく、オペレーションに関しては優れているなと思います。提供スピードが格段に違います。
 その上、焼き餃子と水餃子で同じ「皮」の餃子を使っています、水餃子はふにゃふにゃになってしまいます。皮の食感を楽しむメニューなのに・・・・。隣の席のお客さんは6個の餃子の内半分を残していました。(多分、敵情視察なのでしょうね)

 王将はフードコートに入るぐらいですから焼きたてをスピーディーに提供していました。流石ですね。味はともかく。

                                                     (12月16日)

 ■街の魅力は「コモンズ」がつくる~「水と緑のアメニティ」「無料で遊べる街」「デートで利用したい街」「パークサイド」
 
 魅力のある街とは

 なにわ考現学を通じて「魅力のある街」とはどのようなものなのか考えてきました。生活者の生の評価から拾いだすと、「デートで利用したい街」「無料で遊べる街」という要素が抽出されます。買い物や仕事、学校などの目的性の高い構成要素だけではない街の機能として、「コモンズ」共有空間の空間としてのレベルが差を付けています。「水と緑」「公園」など・・・・行政が所有していることが多いのですが、それが活きた機能となるかどうかは利用者、サポーターともいえるユーザーの意識によって違いが出てきます。
 例えば、当社近くの「靫公園」や「御堂筋」・・・・・街路樹のイチョウの実が臭いと自治体へクレームがあるという記事が出ていましたが、少なくとも御堂筋は遠藤の企業の社員さんが清掃しているように、クレームをつける人は少ないでしょう。

 公園に限らず、町並みもコモンズです。

 ともすれば、ゲーテッドシティのような排他的な議論に陥る危険がありますが、「愛着」の共有が「コモンズ」を繋ぐ鍵になりそうです。サッカーJリーグの良質なサポーターの連帯感がそれに近いような気がします。(ガンバ大阪はサポーターの募金でスタジアムを建設しています)

 まちのリ・ブランディングシンポジウム 生まれ変わるOBP

  昨日、OBPの松下IMPホールで開催されたシンポジウムの会場は500席が満席状態でした。民間主導のまちづくり協議会の魁ともいえる大阪ビシネスパークのこれからを巡っての議論にいくつかの刺激をいただきました。(ここにもパナソニック!)

 いずれゆっくりと整理していきたいと考えています。

 海外からの観光客が増加している中で(従来は百貨店の売上げの数%止まりだったのですが、東京の三越銀座店では10%となったようです)、「コモンセンス」の国際化が課題という指摘は面白いものでした。

 繁華街や住宅に異なった文化・常識をもった人々を、あたたかく受け入れるための素地をつくるのに、時間とノウハウが追いついていないようにも思います。

                                                      (12月11日)
 ■「ららぽーと和泉」開業による大阪府南部地区の活性化
 
 10月30日「ららぽーと和泉」開業

 10月30日に、大阪府南部、泉北高速鉄道の始発駅「和泉中央駅」から車で15分の立地に開業した「ららぽーと和泉」(5,5000㎡)が快調だそうである。和泉中央は泉北ニュータウンに隣接した和泉ニュータウンの中央センター地区で、1日あたりの駅乗降客は3,1726人。和泉市の人口は18.7万人。
 泉北ニュータウンは千里ニュータウンに続いて開発された住宅地で堺市中心で一部和泉市にエリアがまたがっているが、人口は13.6万人。泉北高島屋が立地している中央センターがあるい「泉ヶ丘駅」の乗降客数は1日4.7万人である。和泉市は大阪南部では人口世帯数が伸びているが、泉北ニュータウンは人口減少傾向にある。ニュータウンには空き家が目立っており、老朽化したセンター地区の改修が課題となっていました。

 「ららぽーと和泉」駅立地では無いが、広域から人を集め,年間280億円の売上を目指している。開店の影響で周辺の商業へダメージが心配されていましたが、今の所「和泉中央駅」の「エコール和泉」(3.2万平米 年間106億円)のダメージは想定以下で推移しているようです。

 「泉ヶ丘駅」の「パンジョ」(4.1万㎡ 294億円)は売上高、入店客数ともに増加しています。核店舗に「泉北高島屋」という百貨店業態を持つのが強みでしょう。駅周辺には「専門店街ショップタウン泉ヶ丘」という専門店街もあるのですが、泉北高速鉄道の南海電鉄グループ入りに伴って南海電鉄が子会社化するようになりました。パンジョとの一体運営もスムーズに進み大規模なリノベーションが進みそうです。

 大阪府南部地区は核になる商業集積が不在だったのですが、立地的にも泉北~和泉の行政を超えた中心性が高まりそうです。

 駅前再開発計画が頓挫した,堺市の急行停車駅「堺東」はますます存在感を希薄にしていくことでしょう。

 来年開業するエキスポランド跡地の「ららぽーと」に注目

 来年には大阪府北部の万博公園エキスポランド跡地に「ららぽーと」が8.8万㎡で開業します。海遊館の運営する水族館が併設され、お隣では「ガンバ大阪」のサッカー専用スタジアムも建設中です。・・・この立地も「千里ニュータウン」に隣接し、近くの毎日放送跡地などに大規模住宅開発が進んでいます。
 東に隣接し立命館大学の新キャンパスも建設中です。北摂の都市の重心も大きく変わりそうです。

 千里ニュータウンの中央地区では讀賣文化センターエリアで大規模開発が進みイオンの商業施設も入居します。

 地域の核であるべき「千里阪急」についてはリニューアルが実施されたそうですが、利用者には全く変化が見えません。おそらく内部では生き残りを賭けて危機感を持って必死に議論検討しているのだと思いたいのですが・・・・・さて、どうなるのでしょうね。

 地元なので,利用者として応援したい気持ちはあるのですが、いよいよ危機が顕在化するまで何もしないのでしょう。

 「三越伊勢丹」でも感じましたが「根拠の無い自信」というか「独り善がりの優越感」が事実を見えなくしているような気がします。

                                                                (12月03日)
 ■大阪の都市イメージの25年変化「水と緑のアメニティ」
 
 「中之島が他のエリアを圧倒」

 99年までの調査では「淀屋橋」とカテゴリー設定していたが2005年以降「中之島・淀屋橋」として設定を変更しました。当時から「水都大阪」として中之島の水辺のアメニティを訴えるイベントが開催されるようになってきたからです。

 それまでは「OBP」が圧倒的なアメニティイメージを獲得していたのですが、2005年から「中之島・淀屋橋」がトップとなりました。

 新しくできた「グランフロント大阪」でさえ「水と緑のアメニティ」(実際、まだ整備途中ですが)は「中之島・淀屋橋」にかないません。「中之島西部地区」「OBP」も周辺に資源がありますから、もっとそれを活かすことは可能でしょう。

                                                                         (2014年12月01日)
 図ー水と緑のアメニティの充実した街   なにわ考現学2014

 ■高齢社会の錯覚~若年層は移動しなくなり、高齢者が動く社会
 
 行楽地で目立つのは外国人観光客と中高年

 紅葉を迎えた京都を訪問しましたが、観光スポットは沢山の人で賑わっていました。注意してみると、その多くは中国人を中心としたアジア系の観光客です。そうでなければ中高年の皆様です。

 なにわ考現学の調査を25年間続けてきましたが、最近の傾向として施設利用率が大きく減少していることが気になっていました。今年行った調査は調査手法が異なる(ネットモニターへの調査)なのでその為では無いかと色々と読み込んでいますが、どうも、社会全般で人の「移動」が減少しているようです。(特に若い世代)

 かつて「ホモモーベンス」という概念が話題になりました。(黒川紀章先生の本のタイトルです)また、夜間人口が減少した分を観光客などの交流人口で補おうという議論もした覚えがあります。

 外出率とトリップ数の錯覚・・・・最後はあの百貨店への苦言

 国土交通省が行っている「パーソントリップ調査」でも外出率やトリップ数が緩やかに減少しています。若年人口が減少して高齢社会になってきたためかと早合点しそうですが、実は外出率、トリップ数とも減少しているのは20歳代から30歳代の若年層なのです。65歳以上の高齢者は外出率、トリップ数とも増加しています。
 
 当社の調査でも若い世代の百貨店やホテルの利用率の低下が顕著でした。

 人口ボリュームが減少していく若い世代は活動率も低下してきているのです。

 商業施設として考えられる対策は、若い世代の「移動」のモチベーションを高めるのか、y65歳以上の活動的な世代を取り込むかです。

 というわけで、「JR大阪三越伊勢丹」の再生策としての正解はは「三越カラー」を強化して、コンサバティブでお金を持っている中高年を取り込むべきだったのです。そのタイプこそ梅田に一番欠けている「百貨店」ですからね。

 商業施設の計画を「競合との比較」「業界内部の評判」だけで考えて、世の中の動きを、無視するとこんな失敗をする事になります。

 三井不動産の「コレド室町」の開発は「三越本店」ともうまくつながっていて、「老舗を活かした」「そこにしかない」商業施設になっているのみても、「老舗」の価値を活かさない手は無いと思うのですが・・・・。

                                                                                (11月25日)
 ■OBPのターニングポイントとなった90年代後半

 バブル崩壊後も90年代はまだ活気の残っていた大阪 

 いわゆるバブル経済の崩壊は91年から93年にかけての経済に厳しい影響を与えています。(それまで5~6%成長していたのが93年にはマイナス成長となります)それでも多くのプロジェクトは既に動出しており、94年の関西国際空港開業後大きな開発案件が相次ぎます。

 20世紀になって街の利用ポイントが減少している事にあらわれるように、長期的な不況が人々の活動も停滞させます。そして2007年のリーマンショックはさらにそれに追い打ちをかけました。9年ぶりに実施した「なにわ考現学」の調査でも,あらゆる分野で街の利用率、施設の利用率が縮小しています。

 街という側面では90年代後半がピークなのですが、大阪ビシネスパーク(OBP)についてはそのピークが少し早くて、利用率、イメージ評価も1995年がピークになっています。1995年にはAPECが大阪で開催され,大阪城迎賓館やOBPががその舞台となりました。利用率や「国際的なイメージ」「大阪らしくないイメージ」は1995年の調査が頂点でした。

 その後、OAPでの帝国ホテル大阪の開業や,西梅田開発の進捗で、話題は新しい施設に移行していきます。もともちょ商業施設メインではないのですが、無料で楽しめる非日常的な空間としての希少性も薄れてきたともいえます。

 入居している業種の関係でしょうか、夕刻の退勤者は「パートのおばちゃん」(失礼)風の中年女性が多い街になっています。IMP(インターナショナルマーケットプレース)のテナントは閉鎖店舗が多く、雑貨屋もかつては「アメリカンファーマシー」だったのが「マツモトキヨシ」になっています。

 京橋と大阪城にはさまれて

 OBPは大阪らしくない空間で、「大阪城」が一番キレイに見える民間のビルでした。(大阪城周辺は官庁かお役人様の共済ホテルが取り囲んでいます)最寄りの京橋駅周辺の商店街と都会的な町並みのギャップが魅力でした。

 用途変更がされ、今までより幅広い視点で街作りが考えられるようになりました。大阪府庁の再開発や森ノ宮周辺の変化をにらみながらどう変えていくのか?動向が注目されます。

 今でも「大阪のビジネスの中心地」としてのイメージは結構高いのです。中之島、中之島西部、うめきた先行開発区域グランフロント大阪とのポジショニングをどうとっていくのか?興味深いですね。

                                                     (11月18日)
 図ー街イメージ25年間の推移
 
 

   なにわ考現学 2014  (89、95、99、04との比較)
 ※1999年までは20~50歳代が対象 2005年以降は20~60歳代が対象  大阪市内通勤者対象の調査
 ■ルクア1100(イーレ)は来春開業~「安全策」で出血を止められるか?
 
 JR西日本SC開発はJR大阪三越伊勢丹の入るノースゲートビル西館を「ルクア1100(イーレ)」として百貨店と専門店の融合業態へ転換
 
 東館と一体として「ルクアOSAKA」として53,000㎡の大型商業施設として運営するそうです。
 「JR大阪三越伊勢丹」は無くなって、百貨店部分は6フロアに縮小、伊勢丹新宿本店のエッセンスを取り入れたファッション、服飾雑貨、食料品の売場が中心となります。多くのフロアは百貨店と専門店が融合した売場となり、9階には「蔦屋書店」が入ります。今回の改装の目玉ですね。

 当社、なにわ考現学2014でも全く存在感を示せておらず、売上も厳しいので「百貨店」の撤収で出血をとめようという事なのでしょう。

 まだ方針が発表されたばかりなので、詳しい論評は差し控えます。頑張っていい店にして下さいね。

 すこしだけ、コメントすると、これは考えられる限り最も「無難」な路線を取ろうとして、かえって最悪の選択をするパターンです。当社の調査を素直に見ても全く支持されていない「伊勢丹」のパーツを残し、(おそらく「体裁」が最優先したのでしょう)入ってくれる大型専門店(フォーエバー21,フライングタイガー等バリュー型のMD)で床を埋めています。

 梅田に欠落しているMDへのチャレンジや阪急阪神Gとの直接対決を回避しているように見えます。・・・という意味で括弧付きの「安全策」といえましょう。

 店名の「1100」が専門店の(千)せん、と百貨店の(百)の組み合わせなのは説明されると「あーそうなのね」ですが、わかりにくい。読みにくい。ネーミングは「内輪受け」では無く初めての人にもわかりやすいものであるべきなのは「基本」だと思っていました。誰が「イーレ-」と読めるでしょうか?

                                                                                (11月14日)

 「見たことも無い組み合わせ」で従来に無い都心型商業施設が誕生するという事です。20代から40代中心で団塊世代までをターゲットとする・・・・・・子供とヤングとマチュア以外は全部と言うことですね・・・・ファッション主体の都心商業施設。伊勢丹が進めている百貨店の強みをパーツ化して外部出店するモデルとなるものなのでしょう。とはいえ「伊勢丹」ブランドの強みは「伊勢丹の風」が届く限られた地域(都会と入ってもいいですけど)を離れると格段にパワーダウンすることを学習すべきでしょう。「京都」での成功は「立地」(後背地)が理由です。

 なにわ考現学2014は当HPのトップページから無料でダウンロードできます。ぜひご一読下さい。
 ■商業施設は立地と導線が命
 
 コレド室町、キラリト銀座現地FW

 やっと上京できて、コレド室町とキラリト銀座を拝見いたしました。

 コレド室町は、3つの「コレド室町」と「コレド日本橋」「日本橋三井タワー」さらにいえば「三井本館」「日本橋三越伊勢丹」が一体となって日本橋界隈の地元資源を最大限に活用した街になっています。
 地元の老舗の専門店やマンダリンオリエンタルホテルが一体となったオープンモールのような一体感があります。

 日本橋では「麒麟」の象がランドマークになっているようで撮影している人が多く見られました。

 ここにしか無い、他に無い魅力を最大限活用しています。オフィス通勤者だけで無く、人を集める吸引力があります。吸引力は地域の資源(歴史文化)が生み出したモノです。

 銀座1丁目の「キラリト銀座」について私は地図でしかみていなkったので回りはオフィスだと思い込んでいましたが、夜も明るい街でした。・・・・その分、折角のビルの特徴である「照明」が回りに埋没していたかも知れません。

 建物はフロアが狭くて12層になっている難しい形ですが、ブライダルに特化したテナント構成で、若い女性のある年代にとっては使い勝手の良いビルだと思います。この考え方での絞り込みがどこまで成功するのか注目して推移をみたいと思います。

 立地は少しキビシイですが、導線は思ったより良いので、吸引力をどこまで発揮できるかが鍵でしょう。
 レストラン群は、どこかで見たような店の集積なので、あまり良くわかりません。土曜の夜ですが、かつて行列が話題を読んだ「俺のフレンチ」「御のイタリアン」が店頭で呼び込みをしておられました・・・・・・。流行廃りが激しい業界ですね。

 ピエリ守山再生の行方

 廃墟ショッピングセンターで話題を読んだ「ピエリ守山」が海外SPAの集積で再開するようです。イオンや三井アウトレットパークとの競合が激しいのと、びわ湖沿いの片商圏なので、集客はとても難しいです。
 琵琶湖沿岸ではかつて話題を読んだ「長浜楽市」というSCがあります。開業当時は長浜市の旧市街の商店街から「目端の利いた」
小売り店が移転してきたのですが、現在は黒壁で賑わう長浜市街地と比べて少し寂しいですね。西友と無印良品、100円ショップの集積では「他に無い」とはいえませんし。 かつては体験型シューティングゲームや、ランの温室が有り、他に無い話題で集客していました。
 当時「立地創造型SC」という言葉が流行りました。・・・・今はほとんど残っていません。人工的な集客は続けるのが大変です。

 商業施設は,基本的には立地(吸引力のある地域資源を含む)と導線で決まってしまうと断言してもいいでしょう。もちろん、その上での創意工夫が必要なのは言うまでもありません。

                                                                             (11月10日)
 ■住んでみたい鉄道沿線~阪急圧勝とはいえ、かつてのパワーは衰退傾向
 
 他を圧倒する阪急沿線
 2014年度の調査〈大阪市内通勤民800s対象)でも住んでみたい鉄道沿線として阪急神戸線」「阪急宝塚線」が圧倒的な支持を集めています。

 とはいえ、じつは前回調査(2005年)に比べてポイントは大きく低下しているのです。〈図-2)年代別に見ると女性の60歳代以上ではポイントはあまり変わりませんが、女性の40歳代で特に落ち込みが激しいようです。前回までが特異な数値だったのかも知れません。西宮阪急や大手ショッピングセンターができて地域の生活の利便性は高くなったのに何故でしょう?

 確かに、かつての「阪急神戸線」「阪急宝塚線」のような強い「らしさ」が薄れてきているような気がします。大型ショッピングセンターのある「普通の街」になっったという印象でしょうか・・・・。

 この間に「阪急電車」をテーマにした映画が製作されていたのですが、効果はあったのでしょうか?実は図-2の「阪急宝塚線」に住んでみたい人で20歳代の女性だけポイントがあがっています。これは映画の効果でしょうね。有川浩さんの小説もヒットしましたしね。

 古い人間から見ると「阪神間」「神戸」の「らしさ」が薄れて,普通の街になっていくのは「面白くない」(不快という意味では無いですよ)ですね。

                                                  (11月08日)

 神戸の「フーケ」がつぶれてしまいましたね。

 「フーケ」を忍んで,六甲地区での洋菓子店開業計画のプレリサーチのレポートを添付しておきます。
 本調査の前段階でのレポートです。結果的にうやむやになってしまいましたが・・・・・。

 洋菓子店開業計画0519.pdf へのリンク

   図ー1 一度は住んでみたい鉄道沿線(「なにわ考現学」2014)N=800
   
図-2 住んでみたい鉄道沿線 2005年から2014年の変化(阪急神戸線、阪急宝塚線)
 

 ■鉄道事業者の生き残り~天王寺公園、新大阪、工場跡地の大規模開発
 
 20年間で5億人減少した輸送客~大手私鉄の生き残り

 20年前には25億人だった関西の大手私鉄5社の年間輸送人員は、20億人を割り込んでいると言われています。鉄道事業以外の生き残りに,鉄道事業者関連のニュースが増えてきています。

 ・「京阪ザストア」(京阪電鉄系のスーパー)が新大阪の駅ナカ事業の運営管理者に決定(9月29日)
 2016年に地下鉄御堂筋線新大阪駅構内の890㎡に「大阪の食」をリーズナブルにクィックリーに提供する商業施設を開業予定。
 ・京阪電鉄 四条河原町(髙島屋南側)にホテルを含む複合商業施設の建設を計画(11月5日)
 ホテルとレストラン、観光客が買い物を楽しめる物販施設を整備。
 ・近鉄 天王寺公園の管理運営事業をてがける(10月31日)
 2015年から20年間、天王寺公園のエントランスエリア(2.5万㎡)に芝生広場、レストラン、フットサルコートなどを整備。年間3,000万円の公園使用料を大阪市
 に支払い。湿雪整備、維持費も近鉄が負担。
 ・阪神電鉄 野田駅前の大日本住友製薬工場跡地に大型複合商業施設
 野田駅から徒歩5分程度の駅前で2.8万㎡の規模の工場跡地です。94.5億円だそうです。開業時期は未定ですが、いい立地です。
 イオンモールのようなSCとしては敷地が小さい(最近では小振りに思える岡山駅前でも4.8万㎡)すが、都心に近いエリアとしてはまとまった敷地なので,色々 と考えられそうです。

                                                                            (11月05日)
 ■短期入国者から長期滞在~永住「日本モデル」の移民政策
 
 人口減少は移民ではカバーできないが

 人口減少を移民でカバーしようという言説がよく見られるようになってきています。現在労働力が不足しているきつくて低賃金な職種に安い労働力として外国人を補充しようという発想がわかりやすいのでしょうね。昨年開催された「厚生政策セミナー」で提起された国立社会保障・人口問題研究所等が提起している議論が、行政が考えている「国際人口移動」についての基本的な考え方を示しています。(人口問題研究「国際人口移動の現代的展望」ー日本モデルは可能かー林玲子氏の論文  ネットで公開されています)
 そこでは、「短期間だけ外国人を呼び,自国民が嫌がる単純労働に従事させるという構図は失敗に終わっている」と総括されています。

 「日本モデルとして、数あわせとしての大量の移民を受け入れる前に、短期訪問者の増加を図りながら国際的な人の流動性を高めて社会の活性化を図り、既に日本に長くいる外国人に対する適切な社会統合策を実施しながら,自然な形で無理なく受け入れる環境を整えていく」という定義が示されています。「社会統合政策」とは「外国人の地方参政権」「外国人への教育」「反差別の法的整備」などです。

 今の社会情勢ではまだまだ、実現への道程は遠いかも知れません。それでも実質的に「ネパール」とか「ミャンマー」とかの人々のコミュニティが先に出来上がってしまっているのは、先々のことを考えるとどうなんでしょう。もちろん、それぞれの国について「問題視」しているのではなく、対応方針が定まらない中で「実態」だけが先に進むことが問題になりそうです。

 短期入国者〈観光客)「への対応も、急に増えた観光客に対する対応が後手に回っていることがニュースでも流れています。

 2014年には1200万人を超える用ですが、日本への観光客のボリュームは図にあるように、それでもまだまだ少ないのです。

 フランスやスペインなどの先進国の事例を学びながら、時間をかけて、うまく体制を整える必要があるでしょう。あわてる、とろくな事がなさそうです。

 「皮膚感覚」で急速に「国際化」が進むことの副作用が起きる危惧があります。お隣の韓国では外国人の就労に関して,いち早く欧州基準の法整備を行っていますが、日本では法整備が進んでいません。例えば、ここにいきなりIR(カジノ)を持ってくると、裏稼業の非合法の外国人がやたら増えて摩擦がおきるでしょう。

                                                                  〈10月30日)
 図ー国際観光客到着数
 

 
 ■大阪の誇りについての年代差
  
 大阪を自慢したいときに案内する街

 大阪のプライドとして開業まもなくトップにランキングされたのは「うめきた・グランフロント大阪」です。前回までのトップ「千日前・道頓堀」も健在ではありますが,ニューカマーに大きな差を付けられています。(前回30%以上あったモノが大きくポイントを下げています)グリコの看板が付け代わったりタイガースが日本シリーズに出場すればTVの露出が増えるので,今調査すればもう少しポイントが上がったかもしれません。

 年代によって大阪のプライドは変わってきます。20代女性では「堀江」や「茶屋町」、「アメ」「御堂筋・、心斎橋」が上位にあがってきます。60代女性では「御堂筋・心斎橋」がトップに迫り、「中之島・淀屋橋」も上位に上がってきます。「天王寺・阿倍野」もポイントが高いようです。

 20代女性が自慢する「御堂筋・心斎橋」と60代女性が自慢する「御堂筋・心斎橋」はおそらく違った街でしょう。同じ物理的な空間でも、違ったモノを見ているはずです。アンケート調査の限界ですが、そのあたりをうまく解き明かさすことができれば面白いのですが・・・・。

                                                             (10月29日)
 図-1 大阪を自慢したいときに案内したい街×大阪らしい街(全体)
 
図-2 大阪を自慢したいときに案内したい街×大阪らしい街(20代女性)
 
図-3 大阪を自慢したいときに案内したい街×大阪らしい街(60代女性)
 

〈なにわ考現学2014)

 ■大阪の街で「国際的なイメージ」があるのは~年代別のギャップ
 
 「国際的なイメージ」の街ランキング

 年代によるギャップが大きい。40代以上ではまず、シティホテルがあるビジネス街が想起されています。「うめきたグランフロント大阪」「中之島西部」「OBP」ン窓です。「グローバル化」について旧世代が持っている先入観(幻想)にもつながります。特に男性に多い傾向です。

 「アメリカ村」が年配層にもぽつぽつランクインしているのは古い世代にとっては「アメリカンカジュアル」「陸サーファーファッション」などのノスタルジーが残っているのかも知れません。,多分,街は利用していないでしょうから、ブラザーの印象はあまり関係ないでしょう。

 20代では「千日前・道頓堀」や「京橋」?が上位にランクインしています。また、30~40代女性では「御堂筋心斎橋周辺」がランクイン。街を利用している中で「外国人観光客」が多いという体験から来る「実感」なのでしょうね。「京橋」は都島区長が「stayin kyobasi」をテーマに交通の便を活かして観光客誘致の旗振りを行っている効果なのでしょうか?それともネットで上位に検索される「金髪デリヘル」の交換なのでしょうか?・・・・・実際は、観光名所大阪城に近い繁華街なので外国人も多いのでしょうね。

  都島区の「stay in kyobashi」企画書はこちら・・・
   stayin%E4%BA%AC%E6%A9%8B.pdf へのリンク

 大阪市では「なんば~船場」と「天王寺あべの」の商店街を海外観光客重点地区としています。「国際化」「グローバル化」は「脱亜入欧」ではなく、これから勢いを増すアジアの国々とのおつきあいという側面が重要になります。世代間の言葉のイメージのギャップは大きいので若い人は上司に企画書を出すときには「国際化」と言葉を注意して使う必要があります。

                                                                                (10月28日)


 図-1 国際的なイメージのある街ベスト5(性・年代別)
  なにわ考現学2014より
 
 ■「日本橋」(東京)の賑わいと1100年のお稲荷さん
 
 「コレド日本橋」から「コレド室町」へと高まる回遊性

 三井不動産が2004年に「コレド日本橋」を開業して以来、進めている「日本橋再生計画」。2005年に「日本橋三井タワー」(商業・オフィス複合)、2010年「コレド室町1」(商業)、2014年に「コレド室町2」「コレド室町3」を開業。コレド室町全3館の来館者数は年間目標の1700万人を上回るペースで、半年間に1,400万人に達する。三越、髙島屋と行った百貨店や地元百貨店との連係をはかるだけでなく、地元で1100年の歴史がある「福徳神社」を復興したり、木々を整備した広場を整備したりコミュニティづくりにも配慮された開発となっています。

 地域全体のイベント開催によって、地元高齢者だけでなく、30~40歳代、更に若い層の来客が増えているそうです。

 賑わいの結果として「海外からの観光客も増えているといます。

 寺社は災害時の避難場所としても注目されている。信仰の対象としては役割は薄れているが、地域のコミュニティのシンボルとしてはまだ役割は残っています。福岡の駅ビルではわざわざ屋上に鉄道神社を設置しているぐらいです。

 グランフロント大阪に欠けているモノがあるとすれば

 当社のイメージ調査でも評価の高い「うめきた先行開発区域グランフロント大阪」だが、そのような意味で地域のシンボルになるものが見当たらない。現在の賑わいは「大阪万博」に通じる「ショールーム機能」の集合にあると考えますが、「太陽の塔」にあたるシンボルがない。「核店舗」もないですしね。

 大阪人の聖地「万博」の、スタジアムを臨む場所には「太陽の塔」が今でも強い存在感をもって屹立しています。

 「太陽の塔」に代わる「何か」が必要ですね。

                                                                    (10月27日)
 ■「グローバル化」の錯覚と現実
 
 居住者としての「外国人」

 ニッセイ基礎研究所が不動産投資レポートで「東京の外国人居住者」を10月24日に発表しています。統計的な事実をまとめたものですが、中々興味深い内容です。「不動産投資」としては公のレポートで語ることが出来ない微妙な問題について論じることができないのでしょうが、今後観光客の誘致とともに、居住者も増えていくでしょうから知っておかなければいけないポイントがあります。

 全国に居住する外国人は207万人。その8割は中国、コリア系を中心としたアジア人です。東京にはその2割の40万人が居住しています。

 東京では震災以後人口は減少していたようですが、2013年から再び増加しているようです。コリア系は減少傾向が続いていますが、中国系は伸びています。国と国の関係悪化というよりも「韓流ブーム」に沈静化と一部の「ヘイトスピーチ」の影響があるのでしょうか。

 その影響で、新宿区新大久保ではネパール人、ベトナム人がコリア系に変わって増加しているといいます。ネパール人はインド人が増えているIT技術者向けの「インド料理店」を経営している人が多いと言います。(日経ビジネス)高田馬場はミュンマー人が多くて、リトルヤンゴンと呼ばれているそうです。
 TVなどでも上野のアメ横で外国人向けの食材を販売している店が良く紹介されていますね。

 外国人が東京で住んでいる住まいは3割弱が29㎡以下、25%が49㎡以下です。(2010国勢調査)一方150㎡以上の住宅に住んでいる人は1.1%。日本人を含めた比率では0.4%なのでごく少数、広い住宅に住んでいる人もいます。不動産事業的に外国人住宅といえば、この層がターゲットなのでしょうね。金融とか投資・経営、専門技術者なのでしょうね。

 グローバル化、国際化と言えばどうしてもその層に向けた事業をイメージしていましたが、今後いやでも進む国際化の中で単身出稼ぎだけでなく家族で居住する人達が増えてきます。
 外国人刑法違反検挙率は2004年の7,639件から2013年は2,844件まで減少していますから、いたずらに「不安」を持つ必要はないでしょう。

 今後、1.1%の超富裕層だけではなく、今は劣悪な住環境にある外国人居住者が家族で安心して住まえる街作りのビジョンを描き出す必要があります。(難しいですけれどね)

 グローバル化というのは明治の「鹿鳴館」のような欧米化ではなく、かつては上目線で「発展途上国」と見下していた国々をお客様、パートナーとして普通に交際することなのでしょう。今、一部に飛び交う、特定の国に対する口汚い排斥の言葉は、そういう未来に対する不安なのかも知れません。

 もし、大阪にカジノが出来るとしたら、上顧客は中国または、中国系のアジア人です。〔シンガポールのカジノの利用者の8割以上が中国系だと言います)そして、カジノと付随して「売春」等の裏ビジネスも確実に上陸してきます。(まあ、お金を使ってくれればよしとする人も多いでしょうが)

 その「商売」を続けるためには「俺ってすごい」という自己陶酔の幻想を持たないプロフェッショナルなサービスを提供できるような「G型人材」を排出する「G型大学」を整備する必要があるでしょう。
 

 今進められている「クールジャパン」関連のメッセージも「グローバル人材像」も現実に合わない間違った方向に進んでいるような気がします。

 
                                                                            (10月27日)
 ■20代の時にミナミで遊んでた兄ちゃん達は茶屋町や福島へ移動したらしいというデータ
  
 昨日のグラフにあるように心斎橋やアメリカ村は10年前は20代の男性に圧倒的な支持を得ていました。若い男性の利用が激減したミナミから彼らはどこへ行ってしまったのでしょうか。2014年の調査で30代の男性の利用率がアップしているエリアがいくつかあります。

 まず「茶屋町周辺」それ以外にも「福島」(19.5→20.6%)「湊町」(17.1→23.5%)「中之島西部」(9.8→16.2%)などで30代男性の利用率がアップしています。

 もちろん、新しいエリアの利用率も高いのですが「茶屋町」はなんだか腑に落ちる移動先です。若い女の子の利用率もアップしていますからそれに惹かれて移動しているのでしょうか。

                                                                         (10月23日)
 図-1 茶屋町周辺の過去1年間の利用率 2005年~2014年の比較
 

 ■ミナミから離れていく人とミナミを利用し続ける人
 
 ミナミが失ったもの

 なにわ考現学調査でミナミの利用率が低下していました。街の賑わいとはうらはらに、年配者層が利用しにくい街になってきたことは実感としてわかります。ところが、性別年齢別に見ると驚くべき事がわかります。
 利用率が減少しているのは男性、特に20代男性に顕著なことです。心斎橋、道頓堀、アメリカ村それぞれに共通して現れた現象です。
(念のため、居住地や職業をチェックしましたが特に偏りはありませんでした)

 大阪市が今年の初めに街頭で行った調査では、来街者は男性20代が多いという結果が出ています。利用頻度も男性が高いのです。利用内容は女性では買い物が多かったのですが、男性では食事が多いのです。・・・・・日常的に利用している「コアな層」は男性が多いということでしょう。

 図-1にあるような男性20代の利用率の減少は広いエリからの集客の魅力がなくなったという事でしょうか。「クラブ」(ダンス)規制が影響しているのでしょうか。もう少し詳しく分析をしていきますが、梅田の茶屋町やグランフロント大阪の影響や福島、中崎町など梅田周辺の街が話題になって居ることが影響しているのかもしれません。

 私の感覚ではソニー-タワー、パルコがなくなったことと東急ハンズが梅田にもできたこと、ファストファッションの大型店が男性にはそれほど魅力がないことが原因では無いかと思います。(メンズはさほどおしゃれなものは並んでいません)

 「減っている」と思われたシニアミセスは、もともとなんば・心斎橋では大丸か髙島屋しか利用しませんから変化が少ないのでしょうね。

                                             (2014年10月22日)
 

 図ー1 過去1年間の利用経験率 2005年と2014年の比較
 (なにわ考現学 2005 と2014 大阪市内通勤者対象の調査)n=800


図ー2 ミナミ地区街頭アンケート 2014年1月  大阪市市民局(心斎橋、道頓堀、難波駅 合計708S)   

①回答者の年齢 ミナミ来街者      ~20歳代 男性が多い

 

②ミナミの利用頻度 ~男性の利用頻度が高い
 

③ミナミの利用目的 ~女性は買い物、男性は食事が中心
 

 
 ■6億円の助っ人を活かせないサッカーチームとハルカス効果を活かせない百貨店
 
 最終黒字も目標を1割下回った近鉄百貨店

 あべのハルカス効果で利用率や認知度が高まった「あべのハルカス近鉄本店」ですが、10日の発表ではハルカス本店の好調で近鉄百貨店の最終損益は2億9,800万円の黒字になったそうです。入店客数は目標を1割下回っています。

 あべのハルカス展望台は話題性も高、計画の5倍近い141万人を集めていますし、大阪マリオット都ホテルは計画を8万人上回る38万人が利用しています。く好調を維持しているのにくらべると、営業利益目標を33億円引き下げた「あべのハルカス近鉄本店」はもっと売れていなければいけません。

 この姿は6億円の」フォルランと3億円のカカウを補強しながら、残留争いで苦闘しているJリーグの「セレッソ大阪」の姿に重なります。

 投資をして人を集めることに成功しても、チームのポテンシャルをうまくかみ合わせて「成果」につなげることができない。
 
 派手な投資とプロモーションで人を集めればすべて解決するという「思考停止」がその背景にあります。

 考えろ、もっともっと

 「電通」の「マーケティング」「戦略」の失敗だとサポーターに語られています。考えの浅い場当たりの「浪費」を「マーケティング」だとか「戦略」でひとくくりに語られては「電通」も迷惑でしょう(だいたい電通の戦略かどうかも不明ですしね)。いかにも「電通がやらかしそうな失敗」として、「マーケティング」がマイナスの話題になるのはマーケティングに携わるモノとして残念です。・・・ノーベル平和賞を受賞した女の子についても「マーケティングの匂いがする」とかいわれると、もうお手上げです。

 大阪城公園の運営について「電通」を中心としたコンソーシアムが決まったという報道がありました。提案の報道を見ましたが・・・・・う~ん。・・・・頑張って下さいね。
 皆さんあまり「電通」(に代表される大手広告代理店のいわゆる「マーケティング」の力)に大きな幻想を持たないで下さいね。

 一言アドバイスするとしたら「考えろ」もっと、もっと、もっと
 
                                                                         (10月17日)
 ■失ったモノは取り戻せないのか~なにわ考現学2014に見る百貨店利用者の激減
 
 百貨店利用経験者の激減

 なにわ考現学2014は大阪市内通勤者を対象にした街の利用、イメージ調査です。1989年からスタートし、今年になって9年ぶりに5回目の調査を実施しました。分析をしていると、百貨店の利用者が9年前に比べて大きく減少(94.3%→76.5%)していることが浮かび上がってきました。

 前回は訪問留め置き、今回はWEBモニター調査なので多少の違いは想定の範囲なのですが、他の項目の推移をみても比較可能な結果です。性年代別に見ると男性の利用率が低いのはまあ仕方がありません。それでも60代以上のシニア層(団塊世代以上)とそれ以下の年代のギャップはかなり大きいですね。

 女性では20代女性で78.4%と前回の98%から大きくダウンしています。百貨店を必要としない層が徐々に増えてきているのです。

 この年代から「百貨店」を利用する習慣を形成しないと、将来も顧客にはなりません。非正規雇用が拡大し若者の可処分所得が減少しているとは言え、貧乏人には貧乏人なりの楽しみ方を提供してきたのが百貨店です。

 一部の百貨店の若い女性向けの売場造りの取り組みはありますが、各社とも決め手に欠ける状況です。

 ターゲットで無い層を切り捨てるのも「戦略」としてはあるのでしょうが、それを選ぶことは日本の百貨店業態が大きく変わることになります。裾野の拡大は、今でも必要であると私は思います。富裕層+海外観光客の売上だけでは成立しないのです。

                                                                   (10月15日)




 

図-2 性年齢別 過去1年間の百貨店利用率





 ■「もりのみやキューズモールBASE」のエアトラックが面白い~歩ける、走れる街へ
  建物をつなぐ空中ランニングロード

 東急不動産は7日、大阪・森ノ宮の日本生命球場跡地に建設中の商業施設「もりのみやキューズモールBASE(ベース)」の外観デザインを公表した。商業施設で初となる屋内ランニングトラック「エアトラック」を導入する。エアトラックは複数の建物をつなぎ、1周約300㍍の人工芝のトラックを3レーン設ける。大阪城を眺めながらのランニングやウォーキングを無料で楽しめる。施設の開業は2015年春を予定している。( 建設ニュース)

http://constnews.com/?tag=%EF%BC%88%E4%BB%AE%E7%A7%B0%EF%BC%89%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%95%E6%A3%AE%E3%83%8E%E5%AE%AE%E5%BA%97 へのリンク

 パースを見る限り、屋内ではなく、建物間を空中で繋ぐ屋外のトラックに見えます。

 見た目のインパクトが結構あります。

 「道頓堀プール」計画も80mのビニールプールにまで縮小してまで固執しないで、道頓堀~東横堀~土佐堀川を繋ぐ「ランニングトラック」または「自転車道」を川沿いに整備して、水辺のランニングを楽しめる・・・というプランに変更してはどうでしょう。

 とにかく、大阪市内の中心部は「歩く」「走る」「自転車を使う」といったコンパクトな町並みとして人が動く仕組みが「効果的」であるような気がします。

 その中に、美術館や、寄席、ホール、スポーツ施設などが点在している・・・・・東京とは違った都市の魅力がうまれますよ。

                                          (10月08日)
 
 ■大阪の「東西軸」の今
 
 東西軸という視点

 25年前に「なにわ考現学」を始めたときに、大阪はキタとミナミの南北軸ばかりが議論されているが、東西の東西に拠点が整備され、人の流れが生まれる事で「東西軸」の視点が必要だろう・・・と課題提起いたしました。

 東の拠点として「OBP」と隣接した「京橋」に注目しました。近代的なデザインされた都市と雑然としたエネルギーのある盛り場の対比が、キタにもミナミにもない重層的な魅力をもってくると予測したのです。
 西の拠点としてはウォーターフロント地区の開発に期待を寄せました。海に向かって開かれてきた大阪ですから、湾岸からその後開港する関空を通じて海外へ拡がっていくイメージを持ったのです。
 その後、90年に「海遊館」が完成、94年から95年にかけてATC、WTC、サントリーミュージアム等が湾岸部に続々開業。01年にはユニバーサルスタジオジャパンが開業しています。ヒガシでも96年に長堀鶴見緑地線、97年にはJR東西線が開業。08年には京阪中之島線、09年には阪神なんば線など交通インフラも整備されてきています。


 施設やインフラが整った中で「東西軸」はどれだけ鮮明になってきたでしょうか?

 大梅田への一極集中の中で、ビッグプロジェクトが実施された東西の拠点もそれを繋ぐ太い軸がないため、1強対他弱の構造の中に埋没してきたように思えます。

 梅田は国土軸につながっているイメージがあり、交通立地上、京阪神の交流拠点でもあります。

 他弱となってしまったそれ以外の拠点は、東西と南北が交錯する「船場」「本町」「淀屋橋」を空白地帯、2流の立地にしない新しい都市像の構築が必要です。奈良、和歌山とも連係する都市像については・・・今後、少しづつ明らかにして参りましょう。
 今回、ビッグプロジェクト頼みだけでは駄目なことは学習できました。

 大きな国土軸ではなく地域同士を「自転車」で回遊できる東西の「自転車道」を整備してはいかがでしょうか。都心居住が進んでいますが、それを街に繋ぐ仕掛けが必要です。


                                       (10月07日)

 大阪・ミナミの道頓堀川開削400周年にあたる平成27年6月の開業を目指していた「道頓堀プール」(全長800メートル)が、全面開業を断念したことが7日、関係者への取材で分かった。地元商店主らが出資した準備会社が発足していたが、運営会社への移行が難航。来年8月の1カ月間、当初の10分の1規模の約80メートルで開業する。
 プールは大阪府市特別顧問で内閣官房参与の堺屋太一氏が発案。道頓堀周辺にある商店主らが資本金1400万円を出資し、昨年4月に「道頓堀プールサイドアベニュー設立準備株式会社」を設立していた。
 建設費には約30億円を見込み、費用が集まった段階で運営会社への移行を目指したが、運営を担う企業が見つからず、準備会社を中心に規模縮小して開業することを決めた。
 プールは特殊なテント生地の箱型プールを川へ浮かべる「布函(ふかん)式」。当初は「大阪十大名物」の一つとして日本橋から深里(ふかり)橋までの約800メートルで計画していたが、戎橋から太左衛門橋までの約80メートルに縮小した。
(産経ウェスト 10月7日記事)


 7月24日25日の天神祭の舟渡御の邪魔にはならないようです。敬愛する堺屋太一先生の顔を立てて、ひとつここは女子プロレスを1日だけ水上で開催して幕を引くと・・・・・いうのはいかがでしょうか。「誰が泳ぐんや?」という課題は解決されていませんしね。  プールより、道頓堀を浄化するという運動の方がええのんとちゃいますか。

最終的には市販のビニールプールでも浮かべたらどうでしょう。一応「顔が立つ」のではないでしょうか。(誰の?)
 ■「SC開発依然活発」報道~4日後の暗転
 
 忘れっぽい新聞報道

 新聞報道はその時その時の新しい動きを反射的に追っかける特性があるので、時系列で分析すると辻褄の合わないことも多いのです。

 一般紙、経済紙はほとんど読まない(リアルタイムでは)のですが、唯一継続して購読しているのが「繊研新聞」です。いつも重宝しています。

 10月2日づけの一面トップは「SC開発依然活発」という記事で今年秋から来年にかけてのSC開発が活発である事を報道しています。昨年の開業施設65施設に対し、今年は54施設と、建設コストの上昇や人手不足で一部の施設は開業が遅れているが、高水準が続き、来年以降もほぼ同様の傾向が続くだろうというものです。

 イオングループ、三井不動産、東急グループが特に積極的なのだそうです。

 建設コストの情報は開業ペースに大きな影響

 ところがその4日後の、10月6日の2面では、イオンモールが今後の開業計画を見直すという記事が掲載されています。来下期以降の開業予定施設は開業時期を先送りして、3カ年の投資計画も数百億円程度絞り込むそうです。

 背景として建築の坪単価が従来の1.2~1.4倍になっていることと、人手不足のため工期も従来より8ヶ月以上長くなっていると言います。

 コストは建物計画やデザインの見直しで吸収していく・・・・という事なのでしょう。

 景気対策の公共投資や東京オリンピック関連の需要、円安によるコスト高など・・・・あまりいい材料はないので環境は改善しないでしょう。

 イオンモールだけでなく他のデベロッパーにも同じような影響があると思われます。消費税増税で財布のひもが固くなっていますから、既存店のてこ入れが必要でしょう。

                    (10月6日)
 ■ピーコックストアの300億円と成城石井の550億円ではどちらがお得か?~買収金額
 
  ローソンが成城石井を550億円で買収

 成城石井は高級スーパーを首都圏、中部、近畿で120店舗出店しています。13年12月期まで5期連続の増収増益の優良企業です。ローソンの他にクイーンズ伊勢丹の再建に悩んでいる三越伊勢丹とイオンが最後までエントリーしていたそうです。

 成城石井などの高級スーパー業態は自社生産のこだわった惣菜や弁当が魅力です。PBも美味しい食品の保証になります。いかりスーパーなどもそうですね。

 イオンの買収提示額は550億円と大きな開きがあったそうです。先日買収した大丸ピーコックストアは88店舗。売上は1126億円でしたが赤字企業です。300億円で買収しました。
 色々てこ入れをはかったようですが、まだ黒字化には至っていません。利用者のブログなどを見るとイオンのPBであるトップバリューを導入し価格帯も下げていたようです。「大丸ピーコック」も一部の店舗は高級スーパーと見なされていたのですが、再建策として価格対応を強化したのでしょうね。(トップバリューは美味しくないですが)

 高級スーパーではありませんが、ダイエーも再建に手こずっており完全子会社化するようです。ダイエーの名前も消えるそうです。まあ、ダイエーは一度破綻した企業ですから仕方ありませんが、イオンが買収した準?高級スーパー「コーヨー」もイオンに変えるのでしょうか。一部報道では、みんなイオンに変えるとでていましたが・・・・・。

 店舗内店舗の拡大

 イオンが15%出資する関東のスーパー「いなげや」は高級スーパー「三浦屋」を子会社にしています。関西にはありませんがなかなかいい店です。自社工場で作ったパンやスイーツ、そして地方の特産品の品揃えが抜群です。最近多いデパ地下での地方名産催事とは比較になりません。

 いなげや花小金井駅前店内に16㎡で「三浦屋グルメ」を開業しました。好調なようで今後、既存店や駅ナカ、路面店に出店するそうです。

 東京では東急ストアやクイーンズ伊勢丹の店内に「オイシックス」の野菜コーナーが出店しています。マルエツにはワインの「エノテカ」の専用コーナーがあります。

 そういえばJR大阪三越丹でも評価が高いのが、乾物の「冨澤商店」のコーナーです。

 フードデザートともいわれる「食料品不毛」の千里中央地区(安い品物も無いし価値のある食材も無い)でも、百貨店やスーパー内にグルメスーパーか冨澤商店の店舗内店舗を設置するだけで、顧客の満足度が高くなります。(せめて、「パントリー」が出店してくれれば・・・・・)


 よみうり文化センターの建替でイオンが「高級スーパー」を出店すると発表されています。ぜひ、いなげや経由で「三浦屋」をいれるかテナントとして「いかりスーパー」「成城石井」を誘致して下さい。「パントリー」でもいいですよ。この際エースの「北野」でもかまいません。地元の百貨店が改装するというので食料品売場に期待してたのですが・・・・・・・。望みはイオングループに託します。

 かつてダイエーがグルメスーパー「イタリアーノ」で大失敗しました。伊勢丹でさえ「クイーンズ伊勢丹」は赤字です。GMSや百貨店は直営で「グルメスーパー」を成功させるのは無理な組織構造になっているのだと思います。

 タイトルの答えはイオンは赤字のピーコックよりも黒字の「成城石井」を手にいれて、店舗内店舗として活用すべきだったと思います。時代の流れを読まないと・・・・・。

                               (10月1日)

 関西の百貨店が「食料品売場」に強みを持つ・・・といった伝説はもう過去のモノだと考えています。東京に比べて商圏が狭いため、利益率の低い食料品にも力を注ぐ必要があったから「食料品」の売上比率が高かったのです。現在、東京都心でも都心居住が増えています。それと比例して駅ビルや百貨店の食料品売場が格段に進化しています。むしろ東京の百貨店、東京の駅ビルの食料品売場の方が見どころが多いのです。

 西武百貨店は早い時期に「ザ・ガーデン自由が丘」(高級食品スーパー)を食料品売場に導入しています。

 イカ焼きやハッピーターンもいいですが、食料品が強いはずの大阪の地元百貨店は郊外店、他地域の店舗ではその強みは発揮されていません。
 ・・・その現実を見つめるところからスタートです。

 
 ■国慶節に向けた免税品の拡大
 
 今日から中国の連休「国慶節」が始まります。直近での大きなもめ事も無く、お互いの国の経済人はそろそろ関係修復を図ろうとしていますから、沢山の中国からの観光客が訪日してこられるでしょう。中国人に限らず、観光客が増えているのは何よりも「円安」につきます。

 今回「化粧品」や「食品」が免税品に加わったことは、とても大きな転機です。

 百貨店や家電量販店だけで無くショッピングセンターやアウトレットでも訪日外国人対応が進んでいます。
 交通機関や商業施設のユニバーサルデザインの浸透やムスリム対応などで異文化への理解が進むことは将来に向けて必要な変化だと思います。

 ただ、円安が終わったときにも引き続き,利用していただけるための「顧客づくり」を仕込んでいくことが重要です。三越銀座店は中国人好みの紳士服の商品開発にまで着手しているそうです。日本の百貨店の中国進出は決してうまくいってなかったですが、来日して「ブランド価値」を伝えることが出来れば円高になったときに中国で事業もできるでしょう。

 反日デモなどで中国が怖いけれど東南アジアは比較的安心と思っておられる方に釘を刺しておきますが、中国人はまだ「お金儲けが好き」という価値観が共有されていてわかりやすいですが、東南アジアに多いイスラム教では必ずしも、その価値観が優先する訳ではありません。
 経済合理性だけで決まらない人の動きを予測するのにはその文化的背景を知る必要があります。

 特にイスラム過激派は中東特有の問題と思っていると間違えます。経済成長に伴う貧富の差の拡大は「過激派」を育てます。フィリピン、マレーシア、インドネシア・・・・・国土が広くてテロ組織も活発です。

 イスラム教が非寛容で過激であると言っているわけではありません。冷戦が終結したあと政治思想では無く、宗教が「格差拡大」で「虐げられている人々」の不満の受け皿にもなっている事のリスクも頭の片隅に置いておく必要があります。・・・・今の勢いだけで判断するのでは無く、将来を読んで対応しないとね。「特区」で流入するかも知れない外国人労働者はアジアのイスラム圏からの可能性が高いので、イスラム教に関する知識を持つ必要があります。

 人が交流することでお互いの「文化」への理解が深まるといいですね。今の風潮では大学でも「文化」より「経済」や「科学技術」の研究がスポットライトをあびていますが、これからの大阪の経済の発展の鍵は「人文科学」の充実にあるでしょう。先を読む力が必要です。

 文部科学省は国立大学から人文系の学部を廃止する方向で進めているそうです。

                                         (10月1日)

 大阪の宝物は「民族学博物館」だとかねがね主張していますが,大方の賛同は得られていません。
 ■銀座に光る「KIRARITO GINZA」10月30日開業
 
 銀座1丁目に新しい商業施設をオリックス不動産が開業

 オリックス不動産が手がける、初の都市型商業施設「キラリトギンザ」が10月30日に開業します。コンセプトは「ブリリアントライフステージ」ブライダルや誕生日のキラリと輝く瞬間をモチーフで外観もダイヤモンドのようです。「銀座でキラリと光る場所」という事で、輝きのある商品、サービス、空間が提供されます。

 敷地面積は1,323㎡。延べ床面積は16,580㎡。有楽町線銀座1丁目からは徒歩1分。その他の周辺の駅からも徒歩5分以内のアクセスのいい立地です。中央通りに面してはいますが、商業ゾーンの端っこなので回遊動線としては少しハンディがあります。京橋の再開発ゾーンとも首都高速で分断されており、今後の人の流れの変化に期待でしょうか。

 屋上ガーデンの結婚式場が「核」でブライダル関連の宝石店やレンタル衣装店が付帯しています。サムソナイト、ハートマンなどのバッグの大型店。飲食は「鼎泰豊」の国内最大規模店の他、「俺のフレンチ」「俺のイタリアン」の国内最大店が出店するそうです。(廃業店に居抜きで入ることでコストダウンしていることが、安さの理由で売りだったと思っていたのですが・・・・)パンケーキの話題店(東京では、まだ流行が続いているのでしょうか)も目玉のようです。

 俺の○○は廃業店舗の居抜きでの出店コストダウンと、「立ち食い」での回転率の高さがそのコスパの理由だと報道されていますが、低コストの背景としてオーナーの坂本氏(ブックオフ創業者)の資金力で,銀行借り入れが無いことが大きいのです。試しに自分で出店するして事業計画を立ててみると、家賃、人件費を抑えても銀行への返済額が大きいといつまで経っても次の設備投資ができません。・・・・・・まねっこ好きの飲食業界でも「俺の○○」と全く同じ業態は作れないのが、その証です。

 異業種からの「商業」への参入はなかなか大変だとは思いますが、頑張って成功させて下さい。

 余談ですが、パースを始めて見たときから何だか「水っぽい雰囲気の」建築物だなと思っていたら、バービルなどの料飲系を得意とされる建築家A先生の事務所の設計だったのですね。(安藤忠雄先生ではありません)

 近くのマンションも設計されていて,そのエントランスの階段につけられた電飾が、あたかも新地のバービルのようにきらびやかだったのを思い出しました。(階段の蹴込みの上部、象の鼻と呼ばれる出っ張りの下に一列に豆電球が並んでいました。今はもう,全部割れてしまって普通の階段になっています。残念ですね)良くも悪くも、「作家」は建築デザインに「個性」がありますね。

                                               (9月29日)

 最近、別々のところで、開業時に建築家の先生主導で出来上がった「商業施設」の失敗の物語を伺いました。何故か「吹き抜けが大好き」で「導線をあまり意識しない」という共通の「失敗パターン」があります。「業」なのでしょうね。
 ■日生球場跡地は「もりのみやキューズモールBASE」
 
 森ノ宮にあっった「日生球場」は「大阪球場」より選手が近く見えた

 日生球場はかつて近鉄バファローズが使っていました。南海ホークスが使っていた「大阪球場」よりもコンパクトで選手が近く見えたように記憶しています。江夏の21球で有名な広島との日本シリーズの時は球場が狭すぎたので「大阪球場」を間借りして使っていました。

 日生球場の跡地にはスーパーの「ライフ森ノ宮店」が2015年2月にオープンします。ライフとエディオンが出店します。隣接して東急不動産が「森ノ宮キューズモールBASE」を2015年春にオープンします。

 「豊かに生きる、ココロ・カラダ特区」

 大阪城や難波宮などの歴史文化を背景に持つ地域として「ココロ」。旧日生球場やランナーなどが集まる大阪城公園に近接することから「カラダ」という『キーワードが抽出されました。

 東急スポーツオアシスと50の専門店ですが、コンセプト施設として、「まちライブラリー」(ココロ)=利用者がおすすめの本を感想付きで持ち寄って図書館を完成させます。全国で100カ所を超えているそうです。会員の質が問われてしまいそうですね。

 また、トップアスリートで構成される「アスリートネットワーク」がスポーツコンテンツを企画実施するそうです。(カラダ)

 都心では高層マンションなどの都市居住が増加しており、イズミヤや阪急オアシスなども谷町六丁目方面に出店するようです。

 大阪市内でも公園が近いことは大きなセールスポイントですね。

 本町や船場地区だと自転車で通勤できます。東西の自転車道も比較的整備されているので本町、船場のオフィスとセットでライフスタイル提案ができればいいですね。
 上町台地ののぼりはきついですが、シマノの変速機でもつければ全然問題ないです。

                                (9月22日)
 ■駅ビルの環境対応とインバウンド需要
 駅にとってのインバウンド需要とは

 一部の百貨店では海外からの観光客の売上が5%を超えていると言います。少子化が進む中で、数少ない成長市場と言えます。とはいえ、「百貨店」の95%お客さんがそれによってそっぽを向くようでは本末転倒です。どうしても「動き」のある部分に目が行きますが、どうバランスを取るかが課題です。
 駅ビルの専門誌「エキシューマー」2014年夏号でも「インバウンドマーケットを考える」という特集が組まれています。グループインタビューなども掲載されていて興味深いのですが、あきらかに個人旅行客がターゲットです。
http://www.jeki.co.jp/ekishoken/magazine.html へのリンク

 今、百貨店で大量に購入していただいている中国人団体観光客もやがては、個人観光客に移行していくでしょうから、「量」「勢い」に目を奪われずに「質」を確保して売りっぱなしではなく「顧客化」していくことが大事です。

 これは昨日の「三休橋筋」「船場」についての論考にも共通します。

 駅と言えば利便性重視の不特定多数を対象にしているイメージがありますが、海外旅行客も「顧客」として考えると重点の置き方が異なってきます。

 駅ビルのエリア対応

 アトレ上野では、「上野は商業、観光、分化など多様な顔を持ち賑わいも増しておりより幅広いニーズに対応する」とレディスヤング対応の品ぞろえから「服飾雑貨」「化粧雑貨」の品揃えを強化、近隣住民の日常ニーズに対応するために「成城石井」を導入、飲食店もジャンルを拡げて「近隣の美術館」にくる客の需要を獲得しているそうです。

 アトレ品川では羽田空港の国際化などで国内外のビジネスパーソンに対応し、(インバウンド需要です)従来のニューヨークスタイルを進化させ内装をデザイナーホテルをイメージして一新、ニューヨークの人気ベーカリーを導入しました。
 近隣の高級マンションに住む子連れの母親客も増えているそうです。

 いずれも売上は順調だそうです。(繊研新聞 9月19日より抜粋)

 立地の見極め、誰がターゲットなのかを明確にすることが売上拡大につながります。

 窮地に陥った商業施設は目先の「勢い」に惑わされ、自滅していくのだと思います。いずれ、「なにわ考現学」25年間のデータを元に検証してまいりましょう。
 
                               (9月18日)
 ■船場は今どうなっておるのか~カオスをコントロール
 
 船場どうでしょう?

 「知り合いの会社が,船場の事務所の周りがマンションばかりになって、淀屋橋odonaに逃げるように引っ越したようだ。船場は一体どうなっているの?」というお問い合わせをいただきました。
 かつて、URさんの主催の「船場げんき提案」で関西の大御所の先生の委員会の下働きをさせていただいた経験も有り、なにわ考現学を四半世紀続けている身として,それにお答えしない訳にはいかないでしょう。

 船場の地価はやや上昇傾向

 国土交通省の地価ルックレポートの4月~7月のレポートでは、船場の地価はやや上昇傾向に傾向にあるようです。オィス需要もあるようですが、大型のオフィスビルが少ないのがネックのようで賃料水準は低いです。かといって低い賃料を利用する若い世代の起業家が集まるという流れにもなっていません。設備が古くなってきた中小のオフィスビルはマンションへの転用を前提に取り壊されるので、住宅地化が更に進むのでしょう。

 三休橋筋のガス灯の整備は進んだけれど

 2014年6月にはかねてから進められてきた三休橋筋のガス灯が全面的に整備されました。
 http://www.3984st.com/event.html へのリンク

 関係者の苦労が実りレトロな町並みが整備されています。

 その努力には敬意をはらいますが、その町並みに「新世界の串カツ屋」が出店していたのは残念です。「新世界」が悪いのでも「串カツ屋」の業態が悪いのでもありません。ミナミの繁華街の飲食店のような必要以上に大きな看板が掲げられ、道路にはみ出るように椅子や机が並べられていたことにがっかりしたのです・・・・・・・わややん。
 自己顕示、自己主張の強い看板は繁華街でこそなじみますが、ガス灯が目指した品位のある町並みとは相容れないものです。
 (外観はこちら)
 http://map.goo.ne.jp/place/27000006700/ へのリンク

 常々論じている千日前の「カオス」が、とうとう心斎橋を北上して本町まで浸食しているのでしょうか。地主は「高く売れるならどこでもいいからさっさと売り抜けたい・・・・・」。駄目になった地方の商店街と同じ道をたどるかも知れません。あれだけ愛着を持った人々が「船場」を盛り上げようとしているのに・・・・・。

 この違和感を例えるならば、上品なしつらいの和食店で、いきなり味の素たっぷりの激辛料理、背脂たっぷりがけをだされたような衝撃というか、過疎地に整備されたスーパー林道を使って産業廃棄物が運び込まれるような理不尽を感じます。

 大阪の繁華街に蔓延する大きな看板、品の無い自己主張はまるで「化学調味料」のように癖になり、際限なくエスカレートします。当事者は感覚が麻痺して依存症から抜け出せません。隣の店より目立つ看板を出さないと売上が落ちるという強迫観念におそわれるのでしょう。

 船場の街イメージの変化

 なにわ考現学では調査項目として「船場」を設定していない。御堂筋本町周辺の変化を見てみましょう。

 利用率は減少し、「一流企業が多い」、「ビジネスの中心地」「働いてみたい」イメージも低下しています。「伊藤忠」の移転が象徴的ですね。
 「おしゃれ」「ファッション」「買い物」「ステータス」イメージは以前からありません。

 「文化的」イメージがほんの少し上がっているのは「船場アートカフェ」などの活動の成果でしょうか。
http://art-cafe.ur-plaza.osaka-cu.ac.jp/about.html へのリンク

 「大阪らしいイメージの街」のポイントが増えています。心斎橋や,南船場でも・・・・。

 ずっと読み込んでいて「大阪らしい」というのは歴史性や伝統と言うより、「ごちゃまぜカオスな町並み」の事では無いかと考えています。

 もちろん、何でも飲み込む懐の深さは大阪の長所ではあります。しかし街に関していうと、風俗や飲食店、繁華街、なにもかもがゾーニングされずに混沌としていることは、「元気」な活力があるように見えて、なれ合いの中で新しいモノ・文化を産む力をそいでしまいます。

 心斎橋は賑わっていますが、当調査では「好き」と答える人は大きく減っています。

 街にはゾーニング・棲み分けが必要です。役所が決めるモノでは無く、地域が自発的に揃えることがのぞましいです。例えば、大阪の「自由が丘」と評された京町堀では、まちなかにコンビニエンストアはありません。筋ぞいにはあります。今はまだ地域がそれをコントロールできています。(これから先どうなるかはわかりません。最近は品の無い看板の店も増えています。)必要なのは微妙なバランスですね。だからこそ、若い起業家のオフィスが多く集まっています。

 図ー街の利用とイメージ比較 2005年~2014年
 

 かつて「船場」はカオスどころかシャッター街として全く,活力はありませんでした。住宅への転換で地価は維持されましたが、どんな人を呼びこむのか、どんなビジネスを呼び込むのか?「げんき」だけでは駄目なようです。

 「船場フォーラム」などで先生方も継続して奮闘されていますので、これからに大いに期待です。
何かイベントもやっておられるようなので、興味があればググってみてください。

 とはいえ、客観的な分析から「なんば」「心斎橋」など大阪南部は商業的には健闘していますが,大阪のビジネスの重心は大きく北へ動いているという感触があります。イメージ調査だけで無く、いずれセンサスなどの統計データで裏付けていきたいと思います。

                                            (9月17日)

 今年の夏、徹底的に街をFWしましたが、東京の「自由が丘」もそんなに整然とゾーニングされているわけでもないのですが、それでもあってはいけない業態は排除されていました。東京ダウンタウンの秋葉原とか浅草でもゾーニングが自然にされていて,大阪の街ほど混沌とはしていません。

 心斎橋筋について思うのは「観光客で食っている京都」での観光客向けのゾーンと地元客向けのゾーンがしっかりとわける智恵を学びたいということです。

 船場のグランドデザインへの提案              (9月22日)

 「船場 逆転都市構想」

 かつて船場商人が芦屋や浜寺に別荘を持っていました。今はもう芦屋などのかつての別荘地から都心に通勤、または東京に本宅を置いています。

 都心マンションに「お妾さん」用のマンションを・・・などという下世話な発想では無い。自宅と職場の中継地を船場地区に集積させる。東京と大阪を往復するエグゼクティブや、都心で級友との交流や趣味から拡げるビジネスを考える阪神間のマダム、定年後のビジネスのためのネットワーク拠点、定期的な医療を受ける療養型住宅・・・・・・あるいは「ホスピス」

 要するにかつての「郊外」と「都心」を逆転させて、それに付随するサービスや物販機能を集積するのです。

 ただ、いたづらに儲かりそうな機能に転用されるままにするより、、ビジョンを提起するほうが面白くないですか。
 ■街は大きくなりすぎると分裂する~「大梅田の未来」
 
 規模の大きさと「魅力」は比例しない

 百貨店の規模が10万平米クラスになると、顧客にとってかえって使いにくい・・・最近話題の店舗の不振についてお話しているときに伺った話です。特にシニア層は広い店舗をあちこち歩きにくいかも知れませんね。

 百貨店でも、街区名を店内に付けたり、いくつかのターゲット固まりで「館」を区切るなど、様々な工夫がなされてきました。「メンズ館」や「大丸北館でのうふふガールズ」の成功(百貨店店内では梅田も,京都も成功していません)もその文脈で考えると成功要因が見えてきます。

 新なにわ考現学2014でも「梅田」の分化の傾向が見えてきています。例え,バスを走らせても、茶屋町から西梅田までは3kmほどあります。ましてその間は歩いて楽しい空間とはいえません。

 今後明確になってくる「梅田」のクラスター分化

 梅田は拡がりすぎています。現在は「グランフロント大阪」を中心に人が動いています。以前指摘したように「万博的」な催事の賑わいがその本質です。残念ながらこのエリアには映画館や劇場、学校と行った恒常的な「目的施設」がありません。おそらく、今後の開発は「集客施設」というより「研究開発ビジネス拠点」としての本来の姿に進化していくのだと予想しています。

 2016年には常翔学園の梅田キャンパスが東小学校跡に開設されます。

 うめきたに何らかの鉄道新駅が設けられると鉄道への人の流れは分散します。また、大阪中央郵便局跡地がどのような形になるかによりますが、西梅田地区もその強みに合わせた、改装等の再構築が進むと思われます。

 大阪駅を中心としたクラスター、阪急茶屋町からグランフロントを回遊するクラスター、東梅田から曾根崎の歓楽街、西梅田地区、などいくつかの特徴をもった固まりに再編成されることになると見ています。

 その時に、北新地はTV芸人の銅像をたてるような「おちゃらけ大衆路線」を歩むのか、「和風伝統イメージ」で海外の富裕層を獲得する方向に向かうのか、その方向性は地域の決断で分かれるでしょう。(ミナミの宗右衛門町は再建はもう無理なのかも知れません)

                                                (9月16日)

 結果的に「たかじん像」「たかじん通り」はうやむやのまま話題から消えてしまた。「後妻業騒動」でイメージダウンしたとか、葬儀から新地のママを排除したからだとか色々言われていますが、もともと「TVの人気者」の銅像とか通りの名前変更とかは街の格からしたらありえない話です。あたかも実現しそうな報道をしたメディアの見識が問われます。
 ■無店舗販売事業者がリアル店舗事業に進出中
 
 千趣会 丸ビルに「ブリトー」専門店「ウムウムグッドブリトーズ!」を26日オープン

 ブリトーはメキシコ料理です。37㎡の店舗を丸ビルに出店。4,400万円の売上を目指します。今後5年間で10店舗出店するようです。
 通販事業だけで無く女性の生活に寄り添った商品・サービスを強化しており、「主婦のお仕事支援事業」「保育園運営事業」などに進出しています。飲食事業もその流れで、「働く女性のための環境提供の一助」として位置づけられているそうです。(9月12日 繊研より)
 千趣会の事業規模からすると、小さい事業だけにどこまで本気なのか真意が疑われます。飲食事業への他事業からの参入については、あまり成功例を聞いたことがありません。

 シャルレ 心斎橋に直営店「シャルレ・ザ・ストア」を出店

 ネットワーク直販で業績を伸ばしてきた女性下着のメーカーですが、3フロアのショップでは,一階でフィッティングサービス,2階でフェィシャルサービス、肌チェックや運動食事のアドバイス、3階で美に関する講座などのイベントスペースを設けます。
 顧客の年齢層が上がっている中で、30代、40代の新規顧客の拡大を狙ったものです。

 代理店や特約店の顧客同伴対応など,既存の販売ルートを刺激しない、販売サポートのためのショールームであるように思えます。客層の若返りに即効性は無いかも知れません。

 百貨店などが非店頭販売に注力する中で、独特のルートで顧客を掴んできた無店舗販売事業者もリアルな顧客接点を探り始めています。

 独自のルートで高い利益をあげてきただけに、大きな方向転換は難しいのでしょう。本体の事業構造を転換していかなければ中長期的には、とても厳しいでしょう。

                                 (9月12日)
 ■リアルな「ゲーム感覚」がまちを面白くするかも
 
 日本橋にできる「リアル脱出ゲーム」

 日本橋ヘッドラインで次のような記事を読みました。ゲームであるようなシチュエーションを実際に体験できるものです。運営会社のhpはここです。
http://realdgame.jp/ajito/ へのリンク

 日本橋に、リアル脱出ゲームの常設施設「アジトオブスクラップ 大阪ナゾビル」が今秋オープンすることが明らかになった。
同施設は、全国で「リアル脱出ゲーム」の企画・運営を行うSCRAP(本社・京都市中京区)が運営。既に開設された公式ツイッターアカウントにて発表されている情報によれば、恵美須町駅近くの堺筋アーケードに面した元「浪漫電化つたや」跡のビルを一棟全て活用して10月2日のオープンを予定。1階を関連グッズの販売スペースとし、2~5階部分は各階別に異なるシチュエーションの脱出ルームを展開。密室に閉じ込められた10人が室内の家具を動かし、扉を開ける「鍵」を見つけて脱出する、リアル脱出ゲームの空間になるという。

http://nippon-bashi.biz/news/20140827_osakanazo.html へのリンク

 イベントなんかでは結構あるようですが、常設というのがポイントです。不動産活用で言えばあくまでも期間限定の暫定利用でしょうが、面白い着眼点だなと思います。

 昔流行った「巨大迷路」とかを思い出します。サバイバルゲームというのもありましたね。

リアル宝探しゲーム

 似たようなものでは「リアル宝探しゲーム」というのがあります。外国人観光客の誘致にも使われています。
http://www.pref.miyagi.jp/uploaded/attachment/254821.pdf へのリンク

 街の中で人を動かすという仕掛けでは「街バル」とか「街コン」といったイベントにも通じるものがあると思います。

 携帯ゲーム機やスマホを使えば、もっと手の込んだ仕掛けもできそうですね。ただ、街の中に独自のコンテンツがなければどの場所でも同じ事ができるので智恵を絞る必要がありそうです。

                      (9月12日)
 ■「銀座」はインバウンド.広域集客と足元客を両立させる
 
 銀座の客層とブランドイメージ

 東京都が2001年に行った調査では、銀座の通行者は」1日5.5万人(12時間)。渋谷11.3万人。新宿8.3万人。池袋8万人に比べると少ないですが、幅広い層が銀座を訪れています。

 銀座地区の百貨店の顧客は、20 代後半から 30 代前半と、50 代の 2 つのグループから構
成されており、男女売上比率は、女性が 7 割、男性が 3 割となっている。第一の顧客層は
50 代の高所得者層である。母親とその娘が利用客というケースも多く、銀座ブランドを好
み、渋谷等若者の街と異なる点に魅力を感じている。第二の顧客層は銀座に勤めている女
性で、年齢は 20 代から 30 代である。その他、最近では海外からの利用客も多く、とくに、
韓国・台湾の客層が増加している。(東京都中央区による百貨店へのヒアリングより)


 上記ヒアリングも同じ頃に行われたのだと思われます。近年は海外からの観光客も多いので、客層は大きく変化しているかもしれません。

 銀座は地域でデザインルールを決めていますし、ブロック毎のゾーンニングも意識されているので、同じように伝統が売り物であり、海外観光客が増加している「心斎橋筋商店街」が地元民の支持を失いつつあるのとは対照的に、人を呼び込みながらンブランドイメージを維持しています。
(実際に調査を行ったわけでは無いのでわかりませんが、銀座で進む開発計画を見れば、ブランドイメージへのリスペクトも感じられます)

 銀座5丁目プロジェクト(東急不動産)2015年開業

 数寄屋橋阪急のあった場所の開発です。地下5階から地上11階の建物に延べ床5万㎡で(売場面積換算ではは2~3万㎡)100店舗のテナントが入居する商業施設を建築中です。「銀座の西の玄関口にふさわしい店舗やコト提案の集合体として銀座と日本、世界と日本をつなぐ館」になるそうです。都心型ファッション、雑貨、レストランに加えてイベント広場を6階に設置。「クリエーティブジャパン」という館コンセプトを印象づけるイベントや文化情報を発信します。

 銀座6丁目再開発事業(Jフロントリテイリング 松坂屋銀座本店跡地)2016年11月完工

 松坂屋銀座店跡に建築する地下6階~地上13階の建物に4.6万㎡の商業施設が構築されます。「銀座の新しいランドマークとして,日本全国と海外の消費者の他、就業者や近隣住民の需要も獲得したい」そうです。
 施設コンセプトは「最高に満たされた満たされた暮らし」でテナント選定のキーワードは「ハイクォリティー」「スペシャリティー」「イノベーション」「サプライズ」で「旗艦店クラス」「国内初」「銀座初」のショップを積極的に導入したいという事です。
 ファッション、ライフスタイル関連を中心にレストラン、カフェなど250~300店舗導入されます。

 オリンピックを控えて活況を示している東京の流通業界ですが、テナントさんのバリエーションは限られた順列組み合わせになってしまうので、もう少し、先進的な匂いのするハードや全体のソフトの仕掛けがあればより良かったと思います・・・・・・。そう考えるとイオンモール岡山にはチャレンジの意図がありますね。

 
                                    (9月11日)あれから13年
 ■「大阪らしい街」と「大阪を自慢したいときに案内する街」
 
「大阪らしい街」の10年変化

 グリコの看板やかに道楽に象徴される大阪イメージの代表格である「千日前・道頓堀」がトップである事は変わりませんが、そのポイントはかなり低くなっています。
 2014年には「天王寺・あべの」が2位になっており、「御堂筋・心斎橋周辺」を上回っています。

「大阪を自慢したいときに案内したい街」

 大阪人のシビックプライドの源泉となる街はどこでしょう。10年前は圧倒的に「千日前・道頓堀」でした。今回は大きくポイントを落としています。
 上位にあげられているのは「うめきた・グランフロント大阪」です。「天王寺・あべの」が伸びているのはハルカス効果でしょうね。
 グランフロント大阪には「たこ焼き屋」はありません。・・・・ようやくワンパターンのステレオタイプでは無く多様な「大阪」が発信されてきています。

 「東京のものまねやないか」という声があるかもしれませんが、私の知る限り、東京都心部の「六本木ヒルズ」や「丸ビル」等にはあのような「万博テイスト」のただで過ごせる空間はありません。(横浜の煉瓦倉庫も、どこにいっても店ばかりで無料で楽しめる空間はなかったように思います)

 今回の調査は大阪市内通勤者対象ですから、訪問者の「大阪イメージ」はまた違ったものになるでしょうね。

 
                                  (9月10日)
 図ー1 「大阪らしい街」2005年(横軸)×2014年(縦軸)


図-2 「大阪を自慢したいときに案内したい街」2005年(横軸)×2014年(縦軸)

 ■「万博」と大阪人~グランフロント大阪の「予想外」の好評価の背景
 
 うめきた先行開発区域グランフロント大阪の「好調」

 新なにわ考現学2014の街イメージ調査では「うめきた先行開発区域グランフロント大阪」への高い評価が各項目で現れています。不動産事業的にはオフィステナントの入居率が低かったことも有り、業界的な評価は厳しいようでしたが、大阪市通勤民の利用率や各種イメージ評価は高くなっています。

 雑多な集積からの大阪らしいイメージではないものが、どうしてこんなに高い支持を得ているか?そんなご質問もいただきました。

 例えば、東京風にキレイにディスプレィされた百貨店「JR大阪三越伊勢丹」は全く不評でした。

 なにわ考現学の調査は25年間行っていますが、「大阪らしくなくて」かつ「好感度の高い」施設は,以前は「OBP」(大阪ビジネスパーク)でした。キレイに整備された町並みと大阪城の景観の対比は今までの大阪に無いランドスケープでした。

 「OBP」と「グランフロント」の共通点はなんでしょう。大空間の吹き抜け、管理の行き届いた町並み、今までとちょっと違った新しいレストランやショップの集積・・・・・して「企業のショールーム」それも新しい技術や演出によってエンタテイメント性の高いショールーム=無料で時間つぶしができる快適な空間です。かつてOBPにはIMPというエキゾチックなレストラン・ショップ街がありましたし、ナショナルショールームもありました。

 大阪万博がすべてのルーツ

 それらの要素のルーツは「大阪万博」にあるのでは無いかと考えています。最もリアルで万博を覚えているのは50代以上ですから若い人には直接の記憶はないでしょう。(大阪人の聖地は万博・・・というのは別の話ですしね)

 20年以上前から、人を集めるにはただで遊べる雰囲気のいい空間をつくるべしと主張しているのですがなかなか理解されません。うめきたの2期で緑地を整備する案はその意味で大賛成です。海外からの有能な研究者やビジネスマンを集めるための仕掛けとしても有効です。

                                    (9月9日)
 
 ■商業施設の飲食店が駄目になっていく
 
 昨日、梅田のいくつかの商業施設の飲食店を観察する機会がありました。少し苦戦している施設群で、いくつかの店舗は「改装中」ということでシャッターが下りていました。

 飲食店を見ていて、印象に残っているのは、「あ、この店はあそこにも、あそこにもある」という既視感のある店が多かったことです。もちろん、ファッションビルですから低価格の全国チェーンではありません。・・・はっきりいって個性が無い店の集積です。

 それに拍車をかけているのが、店頭のサインです。店のメニューが大きくプリントされた大判ポスターが多いのです。単体で見るとキレイでシズル感があるように思えますが、どこの店にもそれがあると、ファーストフードのポスターに見えてくるのです。プリントパックなんかで安く出来るんでしょうね。それぞれの店の「自己主張」がみんな同じに見えるのです。郊外のショッピングセンターならそれでもいいのでしょうが、都心のファッションビルでは逆効果です。

 個性を主張しようとしすぎて没個性になってしまう。飲食ゾーンは集客装置でもあるので、駄目な店を集めていると商業施設も駄目になってしまいますよ。

 デジタルサイネージについても、安直に頼ると首を絞めるような気がしています。刺激が強すぎると、受け手はそれを遮断しますからね。

                                        (9月5日)
 ■セレッソメガタウン9月19日グランドオープン
 
  ATCにセレッソメガタウンが開業

 史上サイコといえばサザエさんの堀川君ですが、「史上最攻」をキャチフレーズにしたサッカーJリーグの「セレッソ大阪」をテーマにした1,000㎡のメガストア&ミュージアム&カフェが「セレッソメガタウン」です。
  Jリーグ改革の旗手であるセレッソ大阪のグッズや記念品(トロフィーやカップかな)、歴史の写真、モリシの足形が集積されます。

 先行して「メガストア」が開業しており、9月S9日にミュージアム&カフェがオープンします。

 本日、先行している「メガストア」を視察して参りました・・・・・・・・・・・。

 良い面を書きます。

 ・お客さんが約2名。店員さんが2名ですから、手厚いマンツーマン接客が可能になっていま
 す。
・移籍した柿谷選手の写真とユニフォームを販売。従来のJリーグでは移籍した選手のユニフォームは販売されていません。(例えば米国に移籍したガンバ大阪の加地選手のグッズはもいう販売していません。写真も古い物は残っていますが新しい展示ではNGです。それが普通だと思っていました)肖像権や商標権のなどの問題があるのだと思いますが、それらを超えた新しい画期的なビジネスモデルなのでしょう。(バーゼルへ移籍しても柿谷の商標権はセレッソが保持しているのかな)
 このやり方だったらセレッソ時代の「香川」のユニフォームや「清武」「乾」のセレッソのユニフォームも販売可能になるはずですが・・・・・多分それは無理でしょう。

なんだか嫌みになってしまいそうです。ごめんねセレッソサポの皆さん。

大阪市が地元サッカーチームを活用するのは心底いいことだと思っていますので、不動産事業としての改善ポイントを提案いたします。

①メガストアの売場面積を拡大する~品揃え拡大
・スポンサーの商品も商品も取り込んで、本当の意味でメガなストアにする。
(ヤンマーのトラクター、耕耘機のトミカ販売や実物のショールーム、日本ハムのハムのギフト解体セール等のお得な販売催事・・・)

・日本代表のグッズ(武藤選手等)も取りそろえる・・・もちろん桜戦士「扇原選手」の代表グッズも・・・セレッソイケメンランキングの総選挙を実施する。

②セレッソの試合のある日は舞洲庁舎の大阪市職員がセレッソのユニフォームで執務する
(地元との一体感を演出します)

③カフェではセレッソの「イケメン」選手が毎日日替わりで接客する「南野バー」とか「健勇クラブ」とか・・・・・(万博にはカジカフェが出店していましたよ)

④来年は「セレッソメガタウン」のミニ版「セレッソミニタウン」をパッケージ化し、北海道から九州、四国までのアウェイの試合に出張し、ファンを増やいたうえで、本家の「ATC」の「メガタウン」を聖地として全国から人を集める。

 札幌スープカレー、くまモングッズや讃岐うどんなど(1部リーグでも地域名産は沢山あります)遠征先のグッズも「セレッソメガタウン」で販売する。そして、イートインも設置・・・・。楽しそうでしょ。

 継続は力です、来年もJリーグのために楽しい話題を提供して下さいね。

                                        (9月3日)

 2015年の戦力補強は万全ですね。イケメンの選手がいなくなりましたが、サッカーのチームとしてはバランスがとれた補強になりました。2部リーグも楽しくなりそうです。
 ■12月5日に開業する「イオンモール岡山」の注目ポイント
 
 JR岡山駅前は新しい都市核として生まれ変わるか

 JR岡山駅は1日の乗降客数は約12万人。新幹線駅や津山、米子方面、四国医方面への鉄道が連結するターミナル駅です。岡山の繁華街は地元百貨店「天満屋」のある表町。駅前は「岡山高島屋」があるものの、再開発ビルのダイエーが2005年に撤退してからは商業の賑わいはやや寂しいものがありました。
 JRの高架下の開発などの動きはありましたが、駅周辺の事業所の集積もやや乏しいので中々「賑わい」は回復できていないようでした。

 12月5日に岡山駅前に「イオンモール岡山」が開業します。総賃貸面積92,000㎡。地下2階、地上8階の,イオンにとっては西日本最大級の旗艦店となります。岡山全域の192万人の商圏設定で若い人からシニア層までの幅広い層をターゲットとしています。来館者数は2,000万人を見込んでいるそうです。

 「イオンモール岡山」の注目ポイント

 公表されているプレスリリースからいくつかの注目ポイントを整理しておきます。

 商業施設は地下2階と1~7階の8層になっています。イオンモールのフォーマットでは珍しい中層のモールです。上層フロアへの回遊の仕組みはどう考えられているのでしょうか?

 上層部5~7階が屋上吹き抜けの庭園になっています。「ハレマチガーデン」。シネコンと多目的ホール「おかやま未来ホール」(600席)、そして6~7階のレストランガーデンで回遊を促進しています。
 また岡山のものづくりを体験体感できるというアトリエ、ワークショップを集めた「ハレマト特区365」などの地域密着の仕掛けが施されています。

 情報発信の仕掛けとして,地元テレビ局のメインスタジオが5階に移転。ニュースや情報番組を生放送するそうです。また、1Fの未来スクエアでは館内&ネットTVスタジオが設置され自社の情報発信を行うそうです。

 物販やレストランの顔ぶれについては評価は保留としておきます。

 天満屋や岡山からの流出が話題になって居る倉敷のアウトレットとはまた違った集積となっています。

 駅前の中層立地は「イオンモール」としての事例も少ないので、今後まだまだ、試行錯誤されるかもしれません。
 いまはまだ集客の仕掛けや、情報設備がアピールされているだけなので、成功は中身次第・・・・ですね。ネットでは表町商店街の旧態依然とした体質より,イオンへの期待が大きいようですが・・・。

 いや、はっきりいうと、物販スペースの割にホールやイベントスペースなどの集客装置の仕掛けが多すぎることが気になっています。いつも「楽しいイベント」を行っていないと、商業施設としては大空間はマイナスです。イオンモールにイベントソフトの運営のノウハウが無いとはいいませんが、それにエネルギーを取られすぎると、集客はできても、売上確保は難しいかもです。

                                (8月26日)
 ■インバウンド需要に流れる都心型百貨店
  伸び代を求めて中国からの団体客へ

 百貨店は改装投資を行っても、今までの売上を確保するのが精一杯です。(18日記事図-1)生き残るために投資しても、かつてのようにそれだけでは投資が回収できない中で、チキンレースが始まっています。

  そんな中で、数少ない伸び代が海外からの観光客(中国からの団体旅行客)による、時計、宝飾、貴金属などの高額品の購入です。ブランド物の宝石や「ひすい」「真珠」「さんご」といった今はあまり日本人客が購入しない素材計のジュエリーが売れているそうです。
 西武池袋店では売上高の5%がインバウンド需要だといいます。

 銀座、新宿、心斎橋の路面店、百貨店では観光客の来訪も多く、インバウンドを強化しています。

 タイなど東南アジアの観光客も増えてきていますが、なんといっても中国本土からの旅行者が中心だそうです。何かとマナーについての評判が悪いですが、それはかつての日本からの団体観光客の振る舞いを考えれば、あまり馬鹿にした言い方はできないでしょう。(昔はパリのトゥールダルジャンでは日本の客は、隔離された屋根裏部屋に通されたという話を昨晩伺いました )・・・・・パリや京都といった観光客からぼったくるのに慣れている都市の洗練された(=陰険)な区別(=差別)のテクニックを身につけなければ、今までの顧客が離れていきます。当社の調査での「御堂筋・心斎橋」の凋落にもはっきりと現れています。

 都心型の百貨店であれば5%から10%までの売り上げ(貴重ですが)のために残りの9割の客を失わないように,スマートなやり方を考えておく必要があります。

 何よりも海外観光客からリピーターとなる「富裕層」を抽出するためにも「らしさ」を失わないやり方が必要です。

 海外の富裕層が「顧客」となってくれれば、「百貨店」として成長できる道筋を描けるのですが、団体客の「ブランド大量買い」に引きづられると地元客が離れていきます。

                                          (8月20日)
 
 ■勝者の無い梅田百貨店戦争の行方
  売上金額では阪急百貨店梅田本店のシェアが拡大

 2005年からの推移を見ると、売場を増床した「阪急うめだ本店」がトップを維持しています。
梅田大丸については専門店部分の売上計上が不明ですが、百貨店としてはリーマンショック前の2008年の売上をクリアしていますが2005年の水準には及びません。

 新聞報道では20代女性向けの「うふふガールズ」を縮小し。40代向けの売場を拡大するようです。売上げ目標には届いていないようです。

 増床がなかった「阪神百貨店」は苦戦していますが、改築に着手しました。阪神の持つ独特のポジション、ターゲットについて改装工事中(売場縮小時)にどこの百貨店が獲得できるかが注目です。また「JR大阪三越伊勢丹」が業態転換するので、百貨店としての売上をどこの百貨店が奪い取れるか・・・・・・

 阪急梅田本店が「シニアミセス対応強化」の路線変更の決断ができるかどうかが注目です。当社の調査であきらかなように、50台以上のシニアミセスでは支持率が低く、梅田では空白市場になっているからです。

 ファッションのみならず、百貨店に買い物に来たおばちゃんが、1人でも食事できる場を提供できているかどうかがシニアミセス対応の本気度の目安になります。

                                        (8月18日)
 図-1 百貨店売上げ推移(2005~2013)
 ■「OBP」の反転攻勢なるか
  用途拡大複合都市へ

 OBP(大阪ビジネスパーク)の開発協議会は,今まで「オフィス」「商業文化施設」に限定してきた用途を拡大し「学校」「病院」「賃貸マンション」が建設可能なようにするそうです。

 「大学のサテライトキャンパス」「海外富裕層の受診にも対応できる高度医療機関」「ビジネスサポート機能としての居住施設」が想定されています。

 グランフロントに移転したパナソニックのショールームの取り壊しが始まり、「シアタVRAVA」も2016年春に閉館し更地になります。

 スーパーブロックで開発され,大阪には珍しい良い環境が維持されてきただけに、今後の街作りが楽しみです。

 なにわ考現学での「OBP」のポジション変化

 アメニティや国際性はポイントを落としていますが、ビズネス街としての評価はまだまだ高いのです。

図-1 街イメージ 2005年××2014年


                                (2014年08月06日)
 ■「景気回復」と地方百貨店旗艦店の大規模改装
 
 株価上昇が地方の富裕層の財布のひもをゆるめたのか?

 景気回復には実感がない上に消費税増税と、それにともなう物価の上昇で都市部の勤労者の個人消費に弾みがつかない一方。株価の上昇で可処分所得が増えた人達も確実に存在するようです。
 
 広島の「福屋」は「上質・高質を極めたラグジュアリーな百貨店を目指す」そうで、高感度なインポートブランドの集積に取り組んでいます。「紳士服」や「宝飾・時計売場」も段階的に「高質化」をすすめるそうです。

 岡山の天満屋は岡山本店で「百貨店としての品揃えと売り方」の再構築を狙いに全面的に改装中です。婦人服にインポートブランドを導入したり、「時計宝飾売場」の高級ブランドをブティック化していきます。(駅前のイオンモール出店への対策もあるでしょう)

 不採算店の閉鎖やコスト構造の見直し中心から反転攻勢に出る店舗も増えてきています。

 地方の富裕層の資産運用は「株式投資」が中心ですから、株価の上昇で消費意欲が高まっているのでしょう。生活必需品で無ければ消費税増税の影響も少ないでしょう。

 大分のトキハは、特選ブティックや、特選雑貨を強化する一方、生活雑貨やファミリー層を中心とした滞在型フロアを強化します。

 その他の百貨店でも入店客数や客層の幅を拡大するために専門店業態の導入や食料品売場の拡大を計画している百貨店は多いようです。(繊研新聞7月18日)

 食品スーパーのチラシに精彩が無い

 何をもって「景気の回復」といえるのか、その人の指標の設定によって評価がわかれるのが興味深いです。何が何でも景気回復を主張する人と、何が何でも景気回復を認めない人の主張は交差することがないようです。(政治的なスタンスでのポジショントークだとわかりやすいのですが、むしろその人の社会階層や人間観、幸福感が反映されます・・・というか「景気が良い」という人は、特定の統計指標だけ見ていて、自分で買い物とか「生活」していないんじゃないのとも思えます)

 最近の食品スーパのチラシがある意味での「景気」の状況を示しています。

 まず、価格が高値止まりになっている。生鮮食品がとくに高い。(豚肉や卵など日常品が高い)目玉が、メーカーの加工食品や惣菜中心になっている。(しかも、ポーションが減っている)

 かつては、ホームミールリプレースメントの需要の高まりで「惣菜」が注目されていましたが、現在、おそらく在庫ロスを縮小させることと、利益率のお高いPBを売るために、店の都合で「加工食品」「惣菜」が前面に出ていることは間違いありません。

 飲食店のランチも、原価の低い「鳥肉」を使った物が目立ちます。

 今もし、「景気が良い」と判断されるとしたら、それが生活の質を高めてくれる指標であるとはとうてい思えない状況です。

                                  (2014年8月5日)

 GNPのマイナス幅が半端ではないですね。何故「好景気」と主張する学者が存在するのでしょうね。
 ■「三井ショッピングパークららぽーと和泉」10月30日グランドオープン
 
 泉州の中心に新しいショッピングセンター

 堺市と「だんじりで有名な」岸和田市にはさまれた和泉市には、先日南海電鉄に売却されることが決まった泉北高速鉄道の終点「和泉中央駅」があります。

 和泉中央の周辺はニュータウン「トリヴェール和泉」として開発され、老朽化した泉北ニュータウンからの転出者の受け皿ともなっています。

 和泉中央からなんば迄の所要時間は35分。北摂のベッドタウンである川西市の日生中央から梅田までが45分ですから、遜色はありません。ただし、交通費は片道630円と川西の580円に比べても割高になります。(南海電鉄への売却で将来的には安くなるはずですが)

 北摂の住宅地に比べて大和川の南の泉州地区は域外からの転入者も少なく、大阪市内への通勤者比率も少ないのです。ニュータウンでも通勤費が高いので転入者は少ないのです。

 イメージとして、このエリアがひとつの地方都市であると考えるべきでしょう。本来、都市規模や歴史から堺市が泉州地区の中心であるはずですし、堺市の中心繁華街(堺東駅周辺)がエリアの中心商業であってもおかしくなかったのです。

 とはいえ、岸和田市や泉佐野市の住民が堺市に格別の所用があるわけではないので、堺市は泉州の盟主となれません。(堺市の繁華街?堺東の「髙島屋堺店」の売上げは約150億円程度です)

 このエリア、都区に泉北地域の中心は泉ヶ丘のパンジョ・泉北高島屋である事は間違いないでしょう。(売上規模 パンジョ138億円+「泉北高島屋」200億円・・・200億円は姫路市の「山陽百貨店」、静岡市の「静岡伊勢丹」クラスです。ちなみに堺市内にある百貨店「北花田阪急」は100億円です)
 このエリアの南の地区には和歌山市まで百貨店がありません。
 
 ららぽーと和泉は「和泉中央」から3km阪和自動車道「岸和田和泉IC」に隣接しています。
「コストコホールセール和泉倉庫店」の隣なので自動車商圏です。
 パンジョとは競合ですがある意味で近接することで泉北地区の中心から泉佐野市や泉南市等を含む泉州の中心となるかもしれません。(阪和自動車道は関空につながっています。りんくうアウトレットにも直結します)

 地理的にもこのあたりが泉州の中心になっていく可能性があります。パンジョがどう対応していくが楽しみです。

 ママに優しく「ワンストップショッピングを実現する218店舗」

 「三井ショッピングパークららぽーと和泉」

   店舗面積  55,000㎡
   店舗数   218店舗
   駐車台数  3,400台
   2014年10月30日開業

(特徴)都市型の集積はかなりパワーがあります。

・ママ社員’が中心となり、ママたちのショッピングセンターへの期待を反映した新たな取り組み
 “ママ
with ららぽーと”

・充実のアメニティゾーンや遊び場、イベントなど、ママの「あったらいいな」を集積した「キッズパーク」、お 子さま連れでも快適に食事が楽しめるようフードコート内に「キッズエリア」を設け、配膳サービスを実施
・荷物が多いママも安心して快適にショッピングが楽しめる、お荷物預かり・ポーターサービス
・店舗とのコラボレーションによる、ママ・ファミリー向けイベントやサービスを充実

 トレンドのファッションや雑貨、良質な生活必需品など‘ワンストップ・ショッピング’を実現する店舗揃え
・「アメリカンイーグルアウトフィッターズ」「Bershka」「フライングタイガーコペンハーゲン」「GAP」「  
  H&M
」「オールドネイビー」「ストラディバリウス」「ZARA」「ZARA HOME」など、高感度な海外の人気ブ
  ランド が勢揃い

・ユナイテッドアローズ グリーンレーベル リラクシング」「アーバンリサーチドアーズ」など国内人気セレクト ショップから、「ロフト」「無印良品」「エディオン」「ダイソー」まで、あらゆる商品が揃うワンストップ・ ショッピングを実現
・(仮称)JA 全農ファーマーズららぽーと和泉店」では、「生産者直売コーナー」を併設し地元の採れたて農産物 、全国からの産直品を取り揃えるほか、国産の安全・安心な銘柄牛・銘柄米・加工品、高品質な鮮魚やお惣菜を 提供

                                      (2014年07月10日)

 ■小さくて強い農業が日本を変える・・・・のか
 
 負けない戦いのための「80点主義」

 日本の農業について語られるときに、その未来像として、「輸出産業化」「6次産業化」「株式会社の参入による大規模化」などが現状の「保護」に依存した「生産性の低い」産業からの脱却の方向性と示されます。
 TPP参加による関税の撤廃方針の中で、今後「農業」に多くの補助金が投下される事でしょう。それで,多くの問題が解決でき、アメリカや中国等からの安い農産物の輸入に対抗できるのでしょうか・・・・・。

 「キレイゴト抜きの農業論」(新潮選書)の著者、久松農園の久松達夫氏は「中部圏の食と農の未来を考える研究会」の講演で農業について、一般的な通念と違った事実を提起されています。

 野菜の味を決めるのは「旬」と「品種」と「鮮度」であると断言し、コールドチェーンが発達し、野菜の流通が長時間化・長距離化することで野菜の味がまずくなっているといいます。
 大規模化、産業化した農業では「大量生産」と「安定供給」が大前提になりますから、いくら保存技術が進歩しても「旬」や「鮮度」は維持できません。・・・・・

 久松氏は有機栽培で、少量多品目、施設を使わない露地栽培で野菜を作っておられます。
「野菜作り名人」がつくり100点満点(業界内評価)に及ばなくても上記3つの条件を満たせば、美味しいものが出来る確率が確実に高くなるそうです。

 多品目少量栽培で消費者や飲食店に旬のものを直接届けるので確実に美味しいと評価されるのでしょう。

 弱者の戦略・・・・弱くても勝てる

 日本の農地は面積も狭いですし、中山間地も多く,条件に恵まれません。
 一部の産地は大規模化し、合理化することで生き残ろうとしています。多くの地域ではその戦略はとれません。それぞれの地域、それぞれの経営資源に応じてとれる戦略をとる「小さくて強い農業」が日本の農業を救うという議論です。

 6次産業化については、関心もあり、農業再生の切り札となると考えていたのですが、「国の補助金」がきれた時点で継続できる事業がどれだけあるか疑問でもあります。
 若者の就農支援が構造的に若者の労働力を利用して使い捨てにしているという話も聞こえてきます。一筋縄ではいきませんね。

 「遅れている」ように見える農業の課題は日本の産業全般に共通する課題を示しています。

http://www.criser.jp/research/kihou.html へのリンク


色々なことを考えるヒントになりそうです。

                                   (2014年06月16日)
 ■「京都水族館」~231万の入館者から
 
 231万人と当初の目標をクリア

 当初の目標の200万人はクリアされたようです。地元の小学校などの学習、地域住民中心とした年間パスポート発行などによって地元の利用をうまくとらえたようです。

 心配されていた「水族館」バッシングのターゲットになることもなく、「イルカショーがしょぼい」とか「展示に工夫が無い」といった悪評もありますが、市民に愛される都市型の水族館として定着していけばいいなと思います。

 2016年にはJR西日本が「京都鉄道博物館」をオープンさせます。
http://www.mtm.or.jp/kyoto/ へのリンク

 公園の緑にひらかれた施設群となって、地域の人にも観光客にも親しまれる施設になればいいですね。

                                       (2014年06月09日)
 2013年度 集客ランキング(総合ユニコム)  (千人)

 ■こんなはずではなかったのに・・・・の研究
 

・開業1年後の2008年からスタートし、一時は毎日更新してきました
 ふりかえって見直せば、「だから言うたやんか」ということの方が多いのですが「こんはずではなかった」という記事もいくつかあります。その多くは、日●新聞や経済雑誌の論調にひきづられたものです。反省しながら再編集中です。

 
 これからおきるはずの「こんなはずではなかった」について・・・・・いくつか予想を挙げておきます

・東京オリンピックのために外国人労働者を増やしても、思っているほど効果は無い
 (不足しているのは現場管理者)むしろ不法滞在者を増やすだけ~残留者を大阪に押しつけ
 ないでね。

・「税金を下げないと富裕層が海外に逃げ出してしまう」
 海外に逃げ出した「富裕層」がどんどんしっぽを巻いて帰国してきている~今後も増える
 (生活費が安くても、文化面で適応できない~むしろ、若い貧乏たれほど適応性が高い)
 企業も人もいつの間にか帰ってきている人が多くなっています。理由は円安だけではないで
 しょう。

・カジノを誘致しても思っているほど地域への波及効果は意外に少ない

 アジアの富裕層はカジノがなくても訪日している。テラ銭の高い公営ギャンブルやパチンコ、宝 くじの売上が激減して、自治体の税収面でのメリットはあまり無いでしょう。

 「統合型リゾート」とはいうもののラスベガスやマカオの張りぼてのアミューズメントは・・・・・・日本人にはすぐに飽きられる。(TDLやUSJなどの成功している輸入テーマパークは施設だけで無くコンテンツのストックがあるのが「強み」です。 たとえばカジノホテレの噴水のアトラクションはすぐに飽きます)

・「道頓堀プール計画」は結局「道頓堀水辺イベント」の開催でお茶を濁して終了か。
 ~最近のホームページを見ると「プール」にはこだわらないニュアンスが強くなってきていま
 す。おそらく現実的な落としどころを探しているのでしょう。

 最近印象に残った言葉は「B級グルメ」、「単発イベント」、「ゆるきゃら」・・・だめな地域は必ずこの3つをやっている」というものです。

 自分自身の頭で考える労を厭うと「ありもの」の「元気の良さそうなもの」に飛びつき、「こんなはずでは無かった」と思うことになるのでしょうね。

                                        (2014年06月04日)   
 ■「大丸心斎橋店」建替報道の波紋~百貨店が顧客から離れることの弊害
 
 心斎橋地区再開発~本店建て替え計画への賛否

 大丸を運営するjフロントリテイリングは銀座地区、上野地区への投資が完成した次の課題として心斎橋地区一帯の開発に着手することを発表しています。
 
 ヴォーリス建築の心斎橋本店が取り壊される?という可能性も示唆されています。大丸は「白紙」として取り壊しを否定していません。

 近代建築の保存については保存を訴える「建築オタク」と土地の有効利用をしないのは馬鹿だと考える「経済合理性しか判断基準を持てない投資オタク」の間の意見のギャップは大きいのです。

 折衷案として・・・・

「伝統建築を保存する場合は、そのまま残すほか、元の建物の外壁だけを低層部に生かし高層化するなどの方法もある。昨年建て替えられた大阪・中之島のダイビル本館(大阪市北区)では、旧ビル外壁のれんがなどを再利用することで、低層部の外観を復元した」
 という提案もよくあります。(アメリカで良く見ました)・・・・・・中之島ダイビルに関しては建て替えても、これから100年以上愛される建築になっているのだと思います、建替は成功していると思います(投資額もすごいでしょうね)・・・・東京駅前の郵便局については何とも言えませんが。
 ・・・・・・ちなみに最近高層ビルに建て替わったことが話題になっている「虎ノ門ヒルズ」はテレビ画面で見る限り、あまり個性の無いただの超高層ビルです。

 耐震補強が必要である事と、梅田や阿倍野ハルカスに話題を奪われているミナミの活性化という観点で何らかの再開発は必要でしょう。

 ネット上では旧そごうの北館に百貨店を移して、本館と南館をあわせて超高層ビルにするとか勝手な観測が飛び交っています。

 jフロントは銀座松坂屋の建て替えや上野松坂屋の建て替えで「百貨店」にこだわらない商業施設開発を行っているので、百貨店にとらわれない「不動産の有効活用」を行うのではと推測されているのです。

 「百貨店」は衰退しつつあるとはいえ最も収益を上げられる商業施設

 百貨店については、時代遅れの業態として市場は今後も縮小し続けると思い込んでいる人も多いのですが。マネジメントやオペレーションが悪いだけで、売上や利益をあげるパワーはSCとは比較になりません。

 特に大丸心斎橋店はヴォーリスの設計の外観だけでなく、(産経新聞が批判する)「天井高が低い」事も含めて「百貨店」としての落ち着いて、あたたかみのある空間は大阪には他に比肩するものがありません。

 お隣りの「旧そごう」が失敗したのは、そごう・西武の経営者に問題があっただけではなく、改築した店の百貨店としての空間構成ではなかったことも大きな要素です。
 (例えば、同じ駅立地である梅田大丸とJR大阪三越伊勢丹を比較してもらえば百貨店として必要な空間構成は、何かは一目瞭然です)

 大丸心斎橋店を南館と一体化させて超高層ビルとして、オフィスビル、ホテルと一体化させれば「価値」があがるかといえば・・・・そうではないのです。これが阿倍野近鉄や阪神百貨店であれば正解なのですが・・・。地元で利用している人間でなければわからないかもしれない基準です。

 本社を東京に移したことが「百貨店」の価値を減失させている

 かつて、建替の噂が上がったときは大丸は即座に、それを否定しています。
 おそらく、まだ決断はしていないと思いますが「白紙」とフリーハンドを強調するのは立て替えてしまいたいのだと思います。・・・無くしてしまうもの価値に思い至らないからでしょう。

 松坂屋も大丸も本社を東京に移してから、投資の判断基準が「単純化」されたのでしょう。
 ちなみにアウェイの東京では大丸東京店の百貨店としての売上げは「食料品」に強く依存しています。銀座で建替をするときには「百貨店業態」は東京ではファッションが弱いので選択肢にできないのです。
 
 百貨店は地域に根ざした「地場産業」です。本店ではあれほど素晴らしい店をつくっている「伊勢丹」や「三越」でさえ本社から遠く離れた大阪梅田では大失敗しました。

 大阪では圧倒的な力を持つ「阪急」も他の地域ではあまり成功していません。
 博多阪急のようにあるターゲットに絞り込んだ店舗はそこそこ売上を上げていますが、「全年代、全生活をまるごとつつみこむ百貨店」の商売は顧客に近い場所にいなければ経営できないのです。

 大丸も松坂屋もHomeから晴れることで失ったものの方が、得たものより大きいでしょう。


                                      (2014年05月29日)

 3月にオープン「京阪KUZUHAモール」は通路も広く、導線も変化に富んだ新しい空間です。ただ、ターゲットが絞り込まれすぎていることと、飲食機能の幅が狭い(カフェみたいな店かフードコートしかない)ので、これから売上は大変だろうなと思います。休日は沢山お客様がこられるのでしょうが、平日は・・・・・・。
 
 ■カジノは「デトロイト」を再生させたか?「カジノ誘致」に期待しすぎてはいけない
 
 「教育と医療の都市」として再生したピッツバーグと破産したデトロイト

 国民の賛否は拮抗しているにも拘わらず、何故か社民党、共産党以外の全政党が賛成している「カジノ合法化/統合型リゾート導入」はおそらく、時間の問題で成立するのでしょう。

 アジアではマカオが圧倒的な売シェアを占めていて、全世界の20%弱、オーストラリア2.9%、シンガポール2.4%、韓国2.2%と続きます。(パチンコを禁止しているはずの韓国のシェアの高さが意外ですね)ラスベガスが8.8%。その他を含む米国が48.9%です。総額11兆7,600億円。(※大和銀総研)、ちなみに日本のパチンコ産業の売上は19兆円(※レジャー白書)・・・・・・だそうです。規模が違いますね日本のギャンブル市場の・・・・。

 関西でも大阪市が舞洲に統合型リゾートの誘致を表明しています。・・・・地盤沈下が続く関西経済の切り札となるのでしょうか?

 アメリカで衰退した工業都市再生の成功例としてあげられるのがピッツバーグです。かつて鉄鋼産業都市として繁栄していたのですが1970年代に衰退が始まり、地元大学や民間企業が一体となって医療、金融・保険業、IT産業、教育・文化産業など多様な産業によって発展することを目指して脱産業化都市のモデルケースとなっています。
 一方自動車産業都市デトロイトはその産業の裾野が広いため、逆に構造転換が困難で自動車産業に政府の支援を受けることで再生を目指しました。

  デトロイトでは富裕層が郊外に流出し市の財政は疲弊、公共サービスも著しく低下しています。(エミネムの映画「8マイル」の世界です)
 再生の目玉として、観光客を誘致するために導入された「カジノ」はある程度の税収をもたらしましたが、街の活性化にはつながっていません。カジノ客はホテル内で過ごし、治安の悪い市内には出歩きません。

 「統合型リゾート」という名のシュガーコーティングをされた賭博場

 お金持ちのお遊びとしての「投機」や「賭博」は自己責任の範囲でしょう眠っているお金が世の中に循環する事は悪くないでしょう。シンガポール「Marina Bay Sands」では自国民はカジノ入場税を支払う必要があり、生活援助を受けている者、もしくは公営住宅に入居中で家賃を滞納している者は入場禁止だといいます。・・・外国人観光客からむしりとるポリシーがはっきりしています。(翻って日本の公営ギャンブルの利用には規制はありません)

 甲南大学の林准教授の調査では国内のカジノの導入に賛成が多いのは、パチンコ利用者。公営ギャンブル利用者です。大阪にカジノが誘致された時に公営ギャンブル、パチンコの売上はかなり影響を受けそうです。

 カジノの控除率(あらかじめ取られてしまう金額)は数%、対して、競馬は25%、宝くじが50%、パチンコは不明・・・・・・還元率を高めると逆に射幸心をあおると規制されている・・・・変な業界ですが、誰だってパチ屋ではなく、カジノのスロットマシンを選ぶでしょう。

 関西での「統合型リゾ-ト」構想には海外の富裕層の観光客を呼び込もうという意図があるはずです、心配されている治安悪化やギャンブル依存症への対策を徹底するとともに、関西全体への観光客の回遊を図る仕組み作りが必要です・・・・・・・・・。

 今の政治家をみているとカジノとセットで「売春」の合法化特区などと言い出しかねないのでいわゆる「カジノ構想・統合型リゾート構想」には賛成できないのですが、もし設置するなら、この機会にギャンブル依存症対策を徹底し、公営ギャンブル及びパチンコ産業を含めた「管理」の強化がはかられるべきでしょう。
※現にパチンコ業界への課税強化の動きが顕在化しています。

 ただし、地域産業の活性化や自治体の税収増加にはあまり多くを期待できないでしょう。
 公営ギャンブルは衰退し、パチンコ産業からの税収が減少することは間違いないですから。デトロイトの事例を見てもカンフル剤にはなっても体力の増進にはつながりそうもないですしね。
                                          (2014年05月26日)

 
 ■フェスティバルゲート あまりにも予想通りの展開
 
 「フェスティバルゲート」跡地がパチンコ屋に・・・・
 
 大阪市の土地信託事業で破綻した屋内型遊園地の「フェスティバルゲート」(浪速区)(97年)の跡地を14億円で落札した「マルハン」は当初「韓流テーマパーク」を建設すると発表していましたが、着工を引き延ばしたあげく、結局「パチンコ屋」さんになるようです。

 当初から懸念されていた結果ですが、市長さんは「契約だから」 とまるで他人事のようですね。

 韓国の料理やファッションを詰めた「韓流テーマパーク」構想は,日韓関係の悪化で計画変更と言われていますが、あからさまに韓国を嫌う言説が目立つようになったとは言え、韓流のファンの数はあまり変わらないでしょう。・・・・元々の計画に無理があったともいえますが、5年後にはパチンコOKという契約があるので、当初の想定通りなのでしょう。
 
 交通の要所ではありますが、決して一等地ではありません。但し、この場所から周辺を変えていく都市機能を設置すれば、長期的には不動産価値があがるポテンシャルも持っています。(南海電鉄の高架下開発もこの近くの場所です)

 パチンコ屋はすぐ現金を稼ぐことは出来ても,周辺地区にプラスの影響を与える施設ではありません。土地の価値を下げていく施設です。(統合型リゾートとよばれているカジノも同様です)
 あまりにも無策であると残念でなりません。

 あべのハルカス効果をいかすには

 連休中のJR天王寺駅の利用者が1日あたり6万3千人と前年比10%の伸びだそうです。展望台「ハルカス300」のい当日券も完売です。

 「あべのハルカス近鉄本店」の売上が目標額に届かないことが心配されていますが、5月2日の日経産業新聞の記事では「パルケエスパーニャ」と比較して「ハコモノ投資」の持続的集客の難しさを語っています。(単に投資額が1,300億円と同じ金額というだけで同じくくりにして語るのはどうかなと思います)

 テーマパークは運営主体がつねに新しい発信をする必要があります。(USJもそれが続くことで好調を維持しています)街は、核になる施設が出来ると周辺が変わりますし、百貨店自体も変わっていきます・・・。運営者だけの努力が必要な立地ではありません。

 「あべの」には変わっていくだけの「地域資源」があります。阻害要因としては「阿倍野斎場」「飛田新地」とともに「フェスティバルゲート周辺」の都市問題があります。

 天王寺公園からなんばまで「LRT」を走らせると行った,意図のよく見えない構想を掲げるよりも、市の持つ資源をいかして周辺地区を変えていく智恵が必要です。

                                       (2014年05月09日)
 ■なんばEKIKANプロジェクト 4月26日始動
 南海電鉄のなんばの「まちづくり推進」のスタート

 ハルカス開業で阿倍野・天王寺に話題を持って行かれているなんばですが、南海なんば駅から今宮戎駅の高架下に「なんばEKIKANプロジェクト」となづけられた新規商業開発がスタートしました。
 第一期の開発が4月26日に開業しました。
 「人と人をつなぐ」をテーマに、趣味背の高い店舗の集積で感度や趣向が似た人を店舗を通じて交流するゾーンを形成します。当面、895㎡に3店舗が開業しました。

1)サイクルヒーロー 104坪  自転車・自転車パーツ
 国産自転車製造メーカー「サカイサイクル」の直販店です。自社開発の商品や国内外のブランド自転車、パーツ販売や修理を行います。

2)DIY FACTORY OSAKA  82坪
 工具・ガーデニング用品の通販サイト「DIYーtool.com」が運営します。
 工房を備え、豊富な工具・道具でものづくりも行えます。定期的に行うワークショップで「コト」も提供し、商品を手で触れ、使い心地も体験できます。

その他炭火焼きレストラン 85坪も開業します。

 zepp namba、木津市場の近くで「なんば」からは少し外れています。えべっさんの時だけ賑やかですが、周辺を変えていくと面白いなと思います。
http://www.nankai.co.jp/library/company/news/pdf/140224.pdf へのリンク
                                           (2014年04月30日)
 ■飽きられてきた「御堂筋イルミネーション」
 
 来場者数が448万人から296万人に激減した大阪光の競演2013

 最初は珍しくても、単なる電飾だけでは飽きられるのも早いようです。私も通勤ルートであるにも関わらず昨年は一度も見に行かなかったです。

 だんだん、エリアも拡大して電球の数も増えていますが、コンテンツ自体に独自性がないので、パチンコ屋の電飾と代わり映えしないのです。各地域での競合イベントもずいぶん増えましたしね。

 大阪府の分析では、各エリアでのエリアプログラム(「民間の地域集客イベント」たとえばグランフロントのスノーマンライティングやなんばパークスの「光の滝」)に分散したことと、天候不順を理由に挙げていて.今年は更にエリアを拡大する予算案を提示しています。・・・・・民間が成功しているなら、それ以上に税金を投入する必要はないでしょう・・・。

 天候の影響もあるでしょうが、無料のイベントで3割以上減少(しかも、甘くでるはずの主催者側発表の数字です)しているのは、飽きられているという事実に他ならないでしょう。

 「刺激」でひとの注目を引くような戦術は、続けるために「刺激」がエスカレートすればするほど、「効果」が薄まっていきます。単なる光のイルミネーションは数が増えても感動はエスカレーションしません。・・・・どこかで潮時を忠告してあげる必要があります。


 大阪城3Dマッピング入場者数は目標を上回る59万人

 同時期に開始された大阪城の3Dマッピングは目標の50万人を上回る59万の入場者数があったと発表されています。主催のハウステンボス(HIS)は大阪への集客に成功したのでしょうか。

 テレビで一部紹介されていましたが、投影される映像での「大阪城が2つに割れる」演出など、楽しめる大阪人はどれだけ存在するのでしょうね。

 また、オートバイ競技もやるようですが、どちらも、数少ない観光資源でかつ大阪地元人の誇りでもある大阪城へのリスペクトがないと続かないでしょう。地元民にそっぽを向かれますよ。

                                          (2014年04月21日)
 図ー来場者数の変化

(大阪府都市魅力創造局発表)
 ■大きな仕掛けはできたので、店舗の精度をあげていく時期にきた近鉄阿倍野ハルカス店
 
 新社長に期待 注目を生かし切れていないあべのハルカス近鉄本店

 近鉄百貨店の新しい社長に就任された高松啓二氏は海遊館にもかかわられた鉄道の開発事業のプロです。
 前社長が「百貨店の名にこだわらない」と語った10万平米の国内最大の店舗は「1,450億円」と梅田の阪急本店なみの目標を掲げています。この売上規模を達成するには「百貨店」部門の売上が伸びないと不可能です。専門店をミックスしながらどう売上げ目標を達するか新社長の手腕が問われます。

 実際にハルカス及び店舗を見て感じたいくつかの課題を挙げてみます。

 ・ハルカスの展望台の当日券売場からエスカレーターまでの導線が極端に悪い。
 ・ハルカス展望台への集客の受け皿となる「観光商業」が整備されてない・・地元企業と
  タイアップした土産物屋はスカイツリーに比べると全く整備されていない+観光客の食の
  受け皿が乏しい。

 ・百貨店部分で10万㎡の規模を生かし切れていない~ハルカス館の売場が冗長。
  新しい店ですが、印象は地方百貨店の売場のようです。
 
 ・もとから「下駄履き百貨店」ともいわれる大衆性が強みだが、宝飾品や高級品の売場が
  GMSなみに安い内装になっている・・・・・髙島屋大阪店や、阪急梅田本店と比べると
  床、壁、天井のつくりに「メリハリ」がなくて沿線の富裕層を引きつける魅力が無い。
  これでは商圏が重なる髙島屋には勝てないでしょう。少し残念ですね。

 ・食料品売場の目玉が無い。
  大阪初出店のメゾンカイザーの店舗はごく小さく、新しい商品もない。残念な店でした。博多大丸のメゾンカイザーの方がはるかに印象的な売場です。

 いずれにせよ、これらの課題は、今後のリニューアルで改善されていくでしょう。とにかく日本一の展望台を完成させただけでもすごいことなのですから。これからに期待です。

 ヤンマースタジアムもまた、これからに期待

 4月12日のセレッソ大阪とガンバ大阪の大阪ダービーも沢山の観客を集めて注目されました。こちらもハルカスの展望台のような「思い切った民間投資」である年俸6億円のフォルラン選手が大活躍しました。

 こちらのスタジアムも、満員の観客の誘導がまだまだ慣れていないのと、スタジアムのグルメストリートやグッズの販売がまだまだ慣れていないのか観客数を活かしていないように思えます。

 昨年から急檄に観客が増えてきたので対応し切れていないのでしょう。

今後、ヤンマースタジアムをずっと満員に出来るようになれば、商売も洗練されてくるのでしょうね。ガンバ大阪もセレッソ大阪も普段の試合はプロ野球のタイガースどころかバファローズよりも少ないので、セレッソ大阪も新しいファンをしっかりつかまえて、万博スタジアムにも遊びに来てくれればガンバファンとしてもうれしいです。14日の大阪ダービーはJリーグの開幕当時のような熱気が感じられました。

                                       (2014年04月14日)
 ■食を巡る市場の変化~退潮するデフレ業態と生き残る業態
 
 スーパーの倒産2年連続で拡大

 東京医商工リサーチの昨日の発表で、スーパーの倒産が2年連続で増加していると報じられています。中小スーパーにとって経営環境は厳しく、消費税増税対応のレジの設備投資が出来なくて廃業したスーパーもありました。イズミヤのH2Oリテイリンググループ入りもそういった変化の流れの上にあります。

 不況期にはGMS(大型総合スーパー)の売上が減少し、食を扱う食品スーパーの堅調さが注目されていましたが、大型チェーンの食強化とコンビニエンスストアの台頭が経営力の劣る中小スーパーを直撃しています。いわゆる「アベノミクス効果」も日常消費には波及していないという声もあるようです。

 外食産業でも出店が拡大していた「居酒屋」業態が凋落しています。アルバイトの人件費の高騰、円安での輸入食材の高騰、今後予想される繁華街の不動産価格の上昇、さらに「消費税増税」とあまり良い材料はありません。

 体力(資本力、取引先への圧力、人材)のある大手企業、大手チェーンが最終的に勝ち組になるのといえば、必ずしもそうではないと考えています。最近、「バル」業態について分析していてつくづく実感します。「外食業界」の内部の人達は「低コスト高回転の立ち飲み業態」の変種にしか見えていないのが不思議に思えます。「せんべろ」(千円でべろべろになる業態)など、今の60代以上の男性の若い頃にしか成立しないコンセプトですが、その亜種にしか見えていないのです。
 
 もちろん事業を継続させるには、資金調達力、マネジメント力が必要なのはいうまでもないですが、「中の人」が「食い意地がはっていて」「食べることに執着を持つ」ことが選ばれる店の必須条件です。
 
 大阪郊外の住宅都市でイオン系と阪急系の店しか選択肢が無い環境で、店舗面積はあっても「買い物難民」になっている私の痛切な実感です。
 どちらもびっくりするほど「食べものへの愛」が見られないのはある意味いさぎよいです。東京の「三浦屋」でも勉強されたらいかがですか。大阪が食い倒れというのはうそですね。

 さて、下図はリクルートがまとめた外食市長規模です。かつて、大阪の胃袋をささえたなんば・日本橋と名古屋の栄の伸び悩みについて、何時かその背景を論じてみたいと思います。

                                    (2014年04月09日)
 図ー外食市場規模(2013年12月)※年間のピーク月


株式会社リクルートライフスタイル ホットペッパーグルメリサーチセンター調査

http://grc.hotpepper.jp/research/2014/03/20142-8aa6.html へのリンク
 ■晴れた日には大阪の未来が見えるか?ハルカス17万人の展望
 
 年間1,450億円を目標とするあべのハルカス近鉄本店

 阪急百貨店梅田本店の売上げが1,470億円、阪神百貨店が892億円です。2014年2月期では近鉄本店の売上げは923億円でしたからかなり高いハードルかもしれません。
 とはいえ、民間の投資で新しい大阪のランドマークを完成させたのは評価されるべきでしょう。3月7日の開業以来356万人の来館者を集めています。展望塔は予約制だったので約17万人ですが、現在当日券も販売されています。

 今は,大阪城ぐらいしかない海外観光客の観光スポットとしても今後期待できます。

 今後消費税増税前の駆け込み需要の反動が気になりますが、大阪の百貨店は東京、名古屋に比べて高額品があまり伸びていなかったようです。
 日経新聞では富裕層の層が薄いとコメントしていましたが、名古屋に比べて薄いのでしょうか?
 
 近鉄百貨店の後背地にはまた違った富裕層の厚みがあります。じっくりと息長く掘り起こしていけば、一時的なものではない収益の仕組みが生まれてくると考えた方がいいでしょう。
 あまり高いアドバルバルーンをあげすぎると逆効果ですが、今までに無い世界的なまちの誇りになるシンボルで眠っている需要を堀起こす効果を期待したいところです。

                                                            (2014年04月07日)
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